都市計画の専門家、野澤さんの著書です。
私も専門は都市計画なので、本の中に書かれている内容、専門用語、これまでの動きを1回読めばスッと理解できますが、やっぱり一般の方には難しいだろうなあというのが率直な感想です。それでも、できるだけわかりやすく書くことに努められ、新書というかたちで読みやすく手にとってももらいたいという気持ちがとても伝わってきます。
【老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路】
なんとまあ暗い題目、、、どうにか明るい方向を見出したいです!
確かに当面、暗い状況が想定されます。老いたひとの、老いた家、次の住み手が見出せない大量の家家家。経済優先の都市開発、新規住宅建設。
土地所有者や政治家、建設・不動産業界等の思考はいまだに、土地活用の自由度を最大限に得て儲けたい、、、
著書最後の方に、住宅過剰社会から脱却するための7つの方策が書かれていました。
方策①が、「自分たちのまちへの無関心・無意識をやめる」でした。
7つの方策の1つめにこの記述があることに着目したいです。私は、無関心・無意識はまちに対してという前に、自分自身に対して、他者に対しての無関心・無意識がまずあるだろうと思えてなりません。本当に自分自身のことを知ろうとしているか、どういう生活がしたいか、どうしたいか、自分の考えをはっきり言葉にできるかどうか。そして、ごく身近な親族、配偶者や子どもたちとどのように向き合っているか。
「まちづくり」をキーワードに仕事をしてきましたが、ここ数年は、どこかしっくりこず、曖昧な表現のなかに重要な問題をぼやかしているのではないかと感じていました。
まちづくりは、究極の自分探しと思います。自分のことをまず知り、対話する。「あなたはどういう生活がしたいですか」という問いに確かに答えられるならば、まちや社会に対して無関心でいられるはずがありません。
その点で、教育や思想哲学もますます重要だと感じています。
