二地域居住者のそれぞれのケースをリレーインタビュー(一部、記述式回答含む)で綴っていきたいと思います。本人に記載内容を確認したうえで、概略を掲載しています。

■Aさん(30代後半)、Aさんの夫(40代前半) 結婚10年目、子なし。

お互いが、飛行機移動2時間程度を要する距離に居住。

二地域居住歴3年目。同居になる時期は今のところ未定

 

仕事がない週末は、主に妻が夫居宅へ帰宅。夫居宅が戸建て所有の住宅のため拠点としての位置づけ。そんな日のAさんは月曜、朝5時に家を出て空路、出勤する。


もともと夫は「妻が働くのはいいが、帰宅時には家に居て欲しい」と思っており、それは、家事を担って欲しいというよりは、帰宅時に明かりがついた家に帰りたいという気持ち。


夫にすると想定外の妻の就業ではあるが、年月のなかふたりで仕事についてじっくり話してきた結果だ。


専門職のAさんには全国どこでも希望地にその職の仕事があるわけではない。夫とは離れてしまうが、正職のチャンスと思い現職場に挑戦。夫も応援。ほとんど縁のない土地ではあったが、夫の居住地との交通アクセスがよいことも決め手に。


月々の交通費は10万円を超え、貯金が思うようにできないため今後は見直す必要を感じている。

Aさんは、夫に現在の仕事を継続して欲しいと思っている。

今までのキャリアを簡単にあきらめて欲しくないし、培ってきた職場の関係性や待遇は、仮に転職したとしても同等のものはあまりない、と。


(医師との相談のうえ、顕微授精を試みた経緯のあるAさんとしては)子どもができるかできないかによって、今後のふたりの居住地、職業(転職)が左右すると考えている。

また、どちらも親(両母親)も高齢期に入り、親との関係、介護等の心配がある。


夫宅は町内会活動にも熱心な戸建て住宅街、Aさんは賃貸マンション生活。

離れて暮らす不安は、万が一倒れた時に大丈夫かということ。戸建て住まいの場合は、所在について近隣住民に周知されているので安心感はある。

賃貸マンションの場合は、地域界隈で挨拶を交わす回数が増えるとほっとするとAさん。

心身の健康をいかに保つか、保てるかが課題。


別居住の良さとしては、一人の時間が明確にあること。一緒にいると何となく気を使うこともある。しかし同時に、一緒にいる時間を大事にするようになった。

もともと料理に興味があった夫が家事をするようになったこともよかった。

ただし、栄養管理は気になるところ。土日は夫居宅でバランスよく料理をして食べるようにし、日曜日は食事の買い出し、次会うまでの1週間のうち数日分の作り置きをすることも最近は多いとAさん。


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