**Vibe coding(バイブ・コーディング)**とは、LLM(大規模言語モデル)に大きく依存し、行単位で人間がコードを書くのではなく、主にプロンプトと実行時の実験を通じてコードを生成・反復・リリースしていく開発手法を指します。この手法は、かつては好奇心的なデモや実験の領域に留まっていましたが、現在では主流の開発ワークフローへと急速に移行しています。

過去18か月間で、この体験を主導しようとする専用ツールがいくつも登場しました。代表的なのが、Cursor(AIネイティブIDE兼エージェントプラットフォーム)、AnthropicのClaude Code(ターミナル中心のエージェント型コーディング支援ツール)、そしてOpenAIの新世代Codex(エージェント化され、CopilotやクラウドCLIに統合)です。
それぞれ異なるプロダクト思想と安全性アプローチを持ち、単に「何を生成できるか」だけでなく、人間が主なタイピストではなく**“vibeのディレクター”**になったときに、実際のプロジェクトを維持できるかどうかで評価されています。


Vibe Codingとは何か?

AI支援開発における新しいパラダイム

Vibe codingは、自然言語プロンプトと対話型AIを中心に据え、すべてのコードを手動で記述することを前提としないAI依存型プログラミング手法を指す、比較的新しい概念です。2025年初頭に顕著なトレンドとして登場し、キーボード中心の従来型開発から、プロンプト主導のインタラクティブな開発への転換を示しています。

Vibe codingでは:

  • 開発者は高レベルな目的を記述します(例:「JWT認証付きのGo製REST APIを作る」)。

  • AIが反復的にコードを生成します。

  • すべての行を人間が逐一レビューする重要性は相対的に下がります(ただしベストプラクティスでは依然推奨されます)。

  • 改善は入力(プロンプト)の調整が中心になります。

研究者や実務家はこの手法に大きな可能性を見出す一方で、セキュリティや再現性のリスクについても注意を促しています。


なぜ今なのか

Vibe codingを加速させたのは、二つの潮流の収束です。

  1. LLMおよびエージェントモデルが長いコンテキストとリポジトリ理解を獲得し、複数ファイルにまたがる機能提案や修正が可能になったこと

  2. ツールが単なる「チャットUI」から、ファイル編集・テスト実行・PR作成まで行える統合エージェントへ進化したこと

これにより、vibe codingは単なるデモから、実用的なプロトタイピング、さらには一部では本番運用も可能な手法へと進化しました。


Cursor・Claude Code・Codexのアプローチの違い

Cursor:AIネイティブIDEとエージェントモード

Cursorは、補完機能とエディタ内アシスタントを中心としたエディタとして始まり、現在ではマルチエージェントワークフローと独自モデル(Composer)へと進化しています。IDEの使い勝手を保ちつつ、エージェントの自律性を組み込むことが設計思想です。

実際にできること

  • IDE内での深い統合(差分表示、即時修正、インライン提案)

  • 複数エージェントによる並列実装検討

  • モデルの選択・持ち込みが可能


Claude Code:ターミナル中心の実行可能エージェント

Claude CodeはCLIファーストのエージェントとして設計され、リポジトリの読み書き、コマンド実行、コミット作成までを行えます。Anthropicはエンタープライズ制御と安全性を強く打ち出しています。

実際にできること

  • ターミナルコマンドによるリポジトリ操作

  • Slack、Jira、Google Driveなどとの統合

  • 高度な計画能力と自律的実行


Codex(OpenAI):補完モデルからエージェント基盤へ

OpenAIのCodexは、2021年の初期モデルから進化し、2025年にエージェント型として再登場しました。現在はChatGPT、Codex CLI、GitHub Copilotと統合され、長時間タスクやサンドボックス実行に対応しています。

実際にできること

  • Copilot / VS Codeとの深い統合

  • クラウドサンドボックスでの自動実行

  • GPT-5 Codex系モデルの利用


価格モデルの比較(要約)

ツール 無料 エントリー 中位 上位
Claude Code × 約$20 約$100 約$200
Cursor 約$20 約$60 約$200
Codex APIクレジット トークン課金 使用量依存 エンタープライズ

結論

2026年現在、vibe codingは一過性の流行を超え、主流の開発手法として定着しつつあります。Cursor、Claude Code、Codexはいずれも強力なツールであり、それぞれ異なる強みとトレードオフを持っています。

最適解は「一つを選ぶ」ことではなく、目的に応じて組み合わせることです。
速度、品質、自動化、可読性――その優先順位に応じて、最適なvibe codingスタックを構築することが重要です。