11月29日から2日間、スタッフ全員で東北のボランティア活動に行った。
Come on UPでは、毎年スタッフの合宿を行うのが恒例なのだが、今回の場所は福島県南相馬市。
ご存知の通り、震災による津波や原発事故で大きな被害を受けた町だ。

私たちは夜明け前に車で東京を出発し、5時間で南相馬へ到着した。
今回、受け入れていただいたのは、仲町ボランティアセンターというところ。
通常、1日のみのボランティア受け入れは行っていないセンターがほとんどだが、
ここはおそらく関係者の皆様の努力のおかげで、私たちのような短期の活動者も受け入れてくれていた。
到着後、センター長より説明を受け、早速準備をして、現場へ行く。

・作業1日目:墓地での作業
1日目の作業は海辺近くの墓地での泥かき。
周りには未だに崩れかけた家々が転々としていて、すさまじい光景だ。
横浜から来ていた鳶が本職の男性が私たちのリーダーだった。
彼はシャベルの使い方も良くわからない素人の私たちに、テキパキとやさしくやり方を教えてくれた。
道具の使い方、作業配置など指示が手馴れている。
人海戦術による泥かきは、はっきり言って気の遠くなる作業だ。
深さ30センチの排水溝20メートルの泥をかきだすのに6人で1日がかり。
それでもこの日はリーダーのおかげで、墓地入り口を整備し、車を通るようにすることができた。
全体から見るとほんの少しの進展だったが、1日の作業を終えた後は心地よい充実感があった。

・1日目夜:ミーティング
センターに帰り、作業報告を終えた後、ミーティングを行った。
作業のコツを次回現場に行く人に伝える方法や、事前準備方法の改善点を考えたり、それぞれ感じたことを話し合った。
その中で、印象的だったのがボランティアセンター長の話だ。
一人でセンターを切り盛りしている松本光雄さん。
カダフィ大佐が好きらしく、日に焼けた肌にワイルドなサングラスが似合う60代くらいの男性である。
その松本さんが消灯時間をとっくに過ぎた中、ボランティアの心構えを語ってくれた。
曰く「ボランティアとは、「同苦」して「抜苦」して「与楽」することである。」ということだ。
彼は繰り返しこの言葉を語った。

「同苦」・・被災者と苦しみを同じくする。(理解する。)
「抜苦」・・被災者の苦しみを少しでも抜く。(取り除く。)
「与楽」・・被災者の気持ちを少しでも楽にする。

おそらく彼の造語であろうこの言葉には、長い間被災地で活動してきた彼の信念がこめられている。
町のハードの復興だけでなく、被災者の気持ちを楽にすることがボランティア活動なのだ。

・作業2日目:ケアセンターでの作業
2日目の作業は海辺近くのケアセンターの泥かきだった。
この現場は津波の直撃を受け、20人が亡くなったという。
震災から8ヶ月が経っており、かなりの程度清掃も行われていたが、薄暗い建物内には、はがれた壁や割れた窓など、生々しい津波の跡が残る。
作業は前日と同様泥かきだが、この日は目的が少し違う。
この建物は取り壊されることになっている。施設としてはもう使えないからだ。
ではなぜ人手をかけて泥かきをし、きれいにするのか。それは、見舞いにこられるご遺族の方の気持ちを少しでもやわらげるためであるという。
そんなご遺族の気持ちを思いながら、冬の冷たい海風が吹きつける中、お風呂や靴箱にたまった泥を埃まみれになってひたすらかきだした。

・ボランティアに向かう姿勢
今回福島で心に残ったのは、ボランティアに関わる方々の姿勢だ。
ボランティアは当然ながら、無給。費用は自己負担だ。
私たちが出会った方々は皆遠方から来ており、休みの度に一人で夜通し車を走らせ活動しに来る方、何ヶ月も現地で活動している方もいた。
なぜ、彼らはそこまで活動をするのだろう。そこには「困っている人のために何かしたい」というシンプルな動機があるのだ。
私たちも2日という短い時間だったが、少しでも人の助けになったという気持ちがあり、作業を終えた後は充実感があった。
今回のボランティアはスタッフの研修として、働く意味を見つめ直そうという意味もあった。
「働く」とは「傍(はた)を楽(らく)にする」つまり、他の人をくらしを楽にするということが語源だと聞いたことがある。
私たちは普段の仕事の中でも、それを通じて誰かのくらしをより良くしているはず。
普段は意識しないけれど、働くってそういうことなんだとボランティアを通して再確認し、明日から頑張ろう、と思った。