「ギフテッド」(ギフティッド)というワードは本ブログでは

「天才児」「秀才」「恵まれた子」という解釈ではなく

「知的能力と精神年齢が合わないことから様々なことに不得意があり、生きづらさを感じている支援が必要な人間

…として書いています

 

現状、息子(未就学児)は周囲のお子さんより何かの能力が秀でている、学力が上である…といったことはなく、「高校レベルの数学が解ける!」…等の優れた能力も持ち合わせていません。

どちらかと言うと主に行動面で「問題児」として多くの悩みや躓きを抱えています。

 


 

早いもので、もう2月も半ばを過ぎ。

 

入学前の、最後のイベントとなる「1日入学」

 

そして同日に、入学前としては最終的な面談をしてきました。

 

ちょっと頭に浮かんだことをダーッと書くので、とっちらかった感じですが記録しておきます。

 

 


 

再会 

 

11月の就学時検診の時のこと。

 

学校からの帰り道、わが家と同じような母と男の子の2人が同じ道を歩いていました。

 

あたしたちが先を歩いていたはずなんだけど、だんだん近づいてくる。

 

近づいてきているのは、男の子…明らかに追いつこうとしている。

 

あたしは息子と横並びではなく、息子が少し先を歩いていたのでその子はあたしを追い越し。

 

息子のすぐ後ろにつくようにして歩いていました。

 

その子のお母さんも早歩きで追いつき、

 

「ほら、きーちゃん(仮名)。そんなに近づいたらお友達びっくりしちゃうでしょ」

 

というようなことを言うんだけど、その子…きーちゃんは返事もせず。

 

息子も気づいてはいるけど、あまり気にする様子もなく歩いて行く。

 

そのうちに、押ボタン式の横断歩道に差し掛かり。

 

彼らは同時…いや、若干きーちゃんの方が早くボタンに手を伸ばしました。

 

歩いている最中から、もしかしてきーちゃんは、息子より先に押ボタンが押したかったから急いで追いついていたのかな?

 

なーんて思っていたので…あぁやっぱり、と。

 

負けず嫌いの息子…大丈夫かな?

 

すると、初対面の彼らはボタンを押すのをお互いに躊躇し。

 

特に会話をすることもなく黙ってお互いの顔を見合うと。

 

「せーの」とでも言うように、同時にボタンを押したんです。

 

これにはびっくり…え、何なの君たち?初対面だよね??

 

その横断歩道以降も、彼らは少し会話を挟みつつ並んで歩き。

 

その後にもあった押ボタン全て、毎回2人同時に押して帰ったんです。

 

息子曰く、最終的には手を繋いで歩いていたそう。

(あたしはきーちゃんのお母さんとお話ししていたので気づかなかった)

 

結局、きーちゃんは自宅を少し過ぎてまで息子についてきたのですが。

 

お母さんに呼び止められ、名残惜しそうに戻って行きました…。

わが家の自宅よりは学校に近い場所だけど、息子の通学路上ではありました。

 

何だか素敵なご縁…というか、何か引き合うものがあったのかもしれないな。

 

「あの子、きーちゃんにまた逢えたらいいね」

 

息子にはそう言って帰路につきました。

 


 

それから3ヶ月…そのことを、あたしも息子も覚えていました。

 

今回、1日入学であたしと息子がそれぞれ別々になるまでその話をしていて。

 

保護者向けの説明会が終わり、息子と合流した時に聞くと…

 

息子「きーちゃんに会えたよ!

仲良くなったよ!」

 

…ただし、名前は憶えなかったとのこと。

(名札代わりのシールを胸元に貼っていたのに…!)

 

しかも、クラスごとに分散して帰宅する指示だったので、わが家が呼ばれるより先にもう帰ってしまったとのことでした。

なぁんだ、残念…あたしもまた会いたかったのに。

 

息子「うーん…『き〇〇〇』、だったかな?」

 

そのうろ覚えの名前をあたしはしっかりインプットして、面談に臨みました。

 


 

面談(+児発管) 

 

面談には息子は必要ないので、療育に行ってもらい。

今回は息子の預かり先として、お迎えにも来てもらっちゃいました…感謝。

 

あたしと療育先の児発管さんと、特支コーディネーターと教頭先生とで面談。

 

…という話だったのですが、実際に来られたのは教頭先生の次のポジション(?)っぽい先生(主幹教諭?)。

 

そもそも前回(就学時検診)、学校側としては特に面談は必要ない、と言われていたこともあり…。

言ったのは別の先生でしたけど。

 

しかも児発管さんは直接教頭と電話で話して面談を取り付けてくれており…。

 

てっきり教頭が話を聞いてくれるのだと思ったのに、ちょっとがっかり。

結果的には、あたしだけじゃなく児発管さんも居たからか以前より良い感じで話は進みましたけどね。

 


 

これまでずっと、「幼児教育センター」で相談した際にアドバイスいただいた通り。

 

「サポートシート」(市の書式のもの)も作ったし、何を聞かれてもすぐ資料として出せる書類も用意。

 

あと、「ギフテッド」という文言をこちらから使うことは避けたけれど、ギフテッドに関する説明資料とギフテッド児保護者団体版のサポートシートも。

 

計40枚ほどの書類を用意して行きました…まあどれも一切出番はなかったわけですが。

 

幼教相談員の先生曰く

 

「必要になった時にすぐ出せるようにしておくのが大事」

 

…ってことだったから、まあいいっちゃいいんですけどね。

 

というか、息子をギフテッドだと言いたいわけじゃないけれど…

 

特性を理解してもらうには、「ギフテッド」と名がついた書籍だったり情報が一番適切なんですよね、実際。

 

ただし、それを出せない(何となく感じる「ギフテッド=天才児」という誤解による弊害)歯がゆさというのがあります…。
 


 

内容としては、伝達が中心。

 

療育でどんな対応をしているか、とか具体的な支援や児発管さんから見た息子の特性について。

 

あとは具体的な事例から、その場合はどうやって対処しているかを療育・家庭それぞれ伝えて意識を擦り合わせて行く感じだったかな。

 

学校も、学校としてできる範囲のことはしてあげたいと思ってくれている…それは伝わりました。

 

ただ、息子の特性として先生が云々クラスメイトが云々ではなく…「学校」というシステム自体が苦しいものであり。

 

それは本人の我慢もある程度は必要だけれども、低学年のうちはそれが苦しみに代わってしまうこと。

 

それゆえ、小1~2での不登校の事例が本当に多いこと…などを話しました。

(ギフテッド児の保護者の集まりで耳にしたことです)

 

学校は好き、先生も好き、できれば行きたい。

 

でも、授業が苦痛、45分が苦痛…「つまらない」と思ってしまうんだそうで。

 

その可能性を聞かれたので、それは大いにあると思う…と答え。

 

さらに、息子の現状について訊かれたので、割り算の概念を理解していることとかけ算が一部できること。

 

あとは一般的に街中にある注意書きレベルの漢字が大体読めること。

 

英検を受けるために買った、中学生向けのドリルの問題文(フリガナ無し)をすらすら読めたこと…なんかを伝えました。

通信教育とかドリル等は一切やっておらず、せいぜい療育に行った時に個別活動として行う、無料プリントサイトのプリント程度。

英検は先日4級に合格しています(コレは英語教室のレッスンのおかげ)。

 

その時点で先生方はあぁ…やはり…そうか…という不安そうな顔をしていたのですが。

 

ただ、書写(かきかた)を習っており、「字を書く」ことはとっくにできているけれど、書写は「いかに見本通り書くか」という世界。

 

そこにやりがいを見出し楽しく習っているので、授業=理解することだけを目的にするのではなく、さらに「追求」する方向で課題を与えてもらえると良いかも…とお伝えしました。

 

そう、工夫の余地はまだあるんですよね。

 

ただ、やっぱり「待ち時間」が苦痛なので…そういった場合に学校にしていただきたいことは、座席位置を後ろの角にして、多少の暇つぶしを許容してくれること。

 

知的に高いお友達を近くに配置してもらうこと…これらは全て、ギフテッド児の保護者から聞いた生の声です。

 

そう、同じように知的に高いお友達の存在が重要であるらしく…。

 

ともすると孤立しがちな高IQ児…これはあたしの兄の実話をもとにお話しました。

端的に言うと兄も知的に高い人間で、それでも小学生の頃は兄くらいの子が3~4人いてずっと仲良しだったため、兄は特別感や疎外感を抱かずに楽しく小学校生活を終えられた…というもの。

中学で転校して彼らと離れた時、初めて「何でこんなことも理解できないんだろう」と周囲に対して思ったらしいが、もう中学生=精神的に成熟しつつあったので、それほど生きづらさは感じずに済んだ…という話です。

(実際大人になった兄の友人たちは、皆良い大学に進学したり地位の高い公務員なんかになったらしいです)

 

そこには先生方も食いついてくれたので、前述のきーちゃんの名前を伝えました。

きーちゃんのことは何も知らないけれど、絶対に知的に高い子だというあたしの勘が働いたので…。

 

気が合いそうとわかっている子と同じクラスにしてくれることは、学校として「配慮」の範囲に入るのかは知らないけれど。

 

とりあえず先生方はその名前をメモしてくれていたので…クラス編成に期待したいです。

あとは息子の記憶が合ってるかどうかですが(苦笑)

 


 

あたしが一番言いたかったことはごくシンプル。

 

「必要としているのは『理解』。『支援』ではない」

 

たったこれだけのこと?と思われるかも知れません。

 

でもこれが、これまで自分なりに色々学んだり、ギフテッド児の保護者の集まりでの意見や書籍を書かれた先生方の講演を聞いたりした全て。

 

そしてこの先もずっと変わらないこと。

 

『理解』があれば安心してのびのび過ごせる『環境』ができる。

 

息子のようなタイプの子は、環境さえあれば健やかに成長していける。

 

それを、あたしは幼稚園を転園して実感しました。

 

必要なのは『支援』ではなく『理解』。

 

それだけはしっかりお伝えできたかなと思っています。

 

最終的に、最後は入学直前に担任となる人物と面談をさせてもらう方向で終了しました。

 


 

幼稚園 → 小学校へ 

 

4年にわたる、息子の幼稚園生活も終わりを告げようとしています。

 

年中で高IQが発覚してから、とにかく必死に奔走してきたつもりです。

 

色々な経験談を聞きましたし、調べもしました。

 

あちこち相談もしました。

 

結果、がむしゃらではあったけれど…必要な支援を受けることが出来て。

 

医療、福祉とも繋がり、理解ある幼稚園に出会えてこれ以上ないサポートを得て、息子は幼稚園生活を終えようとしています。

 

あたしは、母親としてしてやれることは全てやれたと思っています。

 

そう、全力で。

 

問題はここから…ここからが、本当のスタート。

 

ここまでしても、苦しい日々になるかも知れない。

 

不登校という道を選ぶかも知れない。

 

それはそれで、そうなった時に必要なのは「受容すること」。

 

不登校児はダメな子なんかじゃない。

 

自分に合う環境が「学校に行かない」ことだっただけ。

 

学校以外に学べるところはいくらでもある。

 

どうか、多くの子どもと違う道を選んだとしても、そんな息子を認め、支えていけたらと思っています。

 

人生は長い。

 

息子が息子らしく生きられる道にたどり着くまで、親として支えていきたいと思います。

 

次回は、先日受けてきたWISCの結果が出たらまた書きたいと思います。