児玉清さんが亡くなられた。
俳優、「パネルクイズアタック25」の司会、そして読書家でも有名でいらした。
私はNHKの「週刊ブックレビュー」での児玉さんが好きだった。
いつも好きな本のことを生き生きと語っていらした。
英語とドイツ語が堪能で、日本で翻訳される前に、ご自分で原書で読まれると知った時は驚き、尊敬した。
知性と教養に溢れていらして、それ故に誰に対しても優しくて公平。
まさにジェントルマンという方だった。
私は、2008年2月に、草月ホールで一度だけ児玉清さんのお話を拝聴したことがある。
作家の佐伯泰英さんとの対談。
歯切れのよい口調で、本と読書の魅力を語っていらした。
その後に買ったのか、その前に買ったのか忘れたけれど、初めての著書だという「寝ても覚めても本の虫」は、とても面白かった。
カール・ハイアセンは、児玉さんに薦められて読んだと言ってもいい。
本文に時々出ている挿画は、ご自分で描かれたもので、とても味のある絵だ。
切り絵も堪能でいらして、個性的な作品をたくさん残されている。
他の著書、「たったひとつの贈り物ーわたしの切り絵のつくりかた」、「負けるのは美しく」を読んでみたい。
そして、「寝ても覚めても本の虫」も、もう一度読んでみようと思う。