お盆に実家に帰ると、祖母が
「東京にいい人いないのか?」と聞いてきました。
一人暮らしをしている私のことをとても心配していました。
妹は、高校時代から付き合っていたクラスメートと、短大在学中に学生結婚して、
既に子供が生まれ、実家の近所に住んでいました。
祖母は東京へ帰る前に
「これで洋服でも買って、誰かとご飯でも食べに行って」と、
1万円をこっそり渡してくれました。
私はその1万円を「絶対に使わない」と決めましたが、
月末の給料日前にお金が無くなって、
あっという間に使い切ってしまいました。
夏の暑さも終わりかけた頃、
海外勤務中だった男性社員が、日本に戻り、
私が働いていた部署に配属されることになりました。
彼は東大を卒業して入社するとすぐに、
フィリピンに行き、現地でまる2年働いていました。
名前は、長友淳志。
真っ黒に焼けた肌に牛乳瓶の底のようなメガネ。
「よろしくお願いします」と、挨拶して、
笑ったときに、白い歯が印象的な
あどけなさの残る人でした。
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