その年に最も大きな被害をもたらした台風が通過した日のこと。
彼女からLINEが来て
彼女「いま、自宅にいるんだけど、停電になってる。」
私「大丈夫?」
彼女「まわりの電気も消えてるから、うちの地区、みんな停電だね。」
私「そうなんだ、僕のところはまだ、大丈夫みたい。」
「うちに来る?」
彼女「ありがと、でも今の台風、強いみたいだから、避難しようか迷ってる。」
私「そっか、停電してると電車も止まってるかもね。」
「スマホのバッテリー残ってる?」
彼女「半分くらい」
私「わかった、また何かあったらメッセージして」
彼女「うん、またメッセージするね」
台風は猛威を振るって、夜になっても収まりません。
彼女「いま、祖母の家に来たの。でも祖母の家も停電してて」
私「そっか、じゃ、あまりバッテリー使わないようにしないとね。」
「ふたりとも大丈夫?」
彼女「うん、今のところはね。でも、祖母はあまり動けないから、私だけ避難するわけにもいかないし。」
私は最悪のことも考え、自宅に彼女と彼女の祖母を受け入れることも決めたうえで、レンタカーの予約を済ませ、
私「僕の部屋でよければ、来る?レンタカーで迎えに行くよ」
彼女「ありがとう、でも、動けないからここで我慢する」
私「そっか、わかった。」
彼女「ごめん、もうすぐバッテリー切れそうだから明日ね。」
私「わかったよ、何かあったら連絡して。」
その後、彼女からメッセージは来なくなりましたが、
翌日にはちゃんとお礼のメッセージが来ました。
あとで聞いた話ですが、停電になってから友達とずっとLINEのやり取りをしていたらしく、充電のために祖母の家に駆け込んだものの、その祖母の家まで停電になったため、身動きが取れなくなったとのことでした。
お婆さんの家でロウソクを立てて、一夜を過ごしたそうです。
みなさんもスマホのバッテリーには気を付けましょうw
つづく。