その特殊でインパクトのある淹れ方で、

ベトナムコーヒーは注目を浴びることになった。

 

小ぶりのグラスに底に細かい孔がたくさんあいた金属製のフィルターをセットし、
挽いた豆をティースプーンに
4杯ほど入れ、

上からまた孔のたくさんあいた落とし蓋的なものをぎゅうっと押しつけ、

そこにそっと熱湯を注ぐ。


しばらくすると、濃厚なセピア色の雫がぽたり、ぽたりと落ちてきて、

ちょっと曇ったりその曇りが集まって雫がが流れ落ちたりする

そのグラスの中をじっとみているのが好きだ。

 

ミルクを入れ場合は、先にグラスに半分ほどコンデンスミルクを

たら〜っと流し込んでおく。

白い層の上にセピア色のコーヒーが溜まっていく様子もとてもきれいだ。

 


 

「ベトナムコーヒーってコンデンスミルクってるんだよね?」

の質問はもう何回受けたかわからないが、

これは正解であり不正解でもある。


ミルクは入れない人も多い。

ただ、入れるミルクはクリームでもなければ牛乳でもなく、

コンデンスミルクである。

 

これは、ベトナムでは酪農ができなかったため、

遠い北国から日持ちのするコンデンスミルク缶を輸入するしかなかったのだろうと。

コーヒーはもともと甘くして飲むのが普通だし、いい形に落ち着いたのだなと思う。

コーヒーはブラック無糖派の私にとって、甘いコーヒーはちょっとこたえた。

コンデンミルクを入れない場合でも砂糖4〜5杯は入れるのですよ…
コーヒー自体が香りも甘く強く濃厚なため、バランス的にそうなるし、

いつしかそれが当たり前になったけれど。


初めの頃にどこかのカフェで「砂糖なしで」とお願いしたら、

「あんた、それは胃が痛い時に飲むものだよ」

「そうそう、それは胃薬だ」

とカフェの人からもお客の知らないおじさんからも忠告を受けた。

 

いやー、胃が痛い時はミルク必要でしょー、

てかコーヒー自体ダメなんじゃない?

と喉の奥でつぶやきながら甘いコーヒーを飲む。

ちなみに、あまり知られていないが、

ベトナムはブラジルに次いでコーヒー豆の生産量世界第2位なのでした。