ベトナムでの生活において、よく聞かれることは治安と水のことでした。
治安はさておき、
「水は大丈夫なのか」
ということ。
私は、見るものすべてを体験したくて、大衆食堂、市場、屋台、天秤棒や自転車で売り歩いているもの、
口に入るものは片っ端から口に入れていました。
食堂で生水が出されることはなかったけれど、お茶、コーヒー、ジュース、ビール、何にでも氷が入っています。

当時はまだ冷蔵庫はあまり普及しておらず、氷屋さんがリヤカーでどこかから切り出してきた氷の塊を売りに来るスタイル。
どこでどんな製法で作られるのか、結構な確率で氷の中には枯草、虫の死骸などが標本のように収まっていました。
私はそういうのは全く気にならなくて、「へえ~、文化の違いだなあ」と、呑気にそんな飲み物を当たり前に毎日飲んでいたのです。
氷屋さんから氷も買っていました。
また、「水に気をつける」というのは、生野菜もその対象だなんて思ってもみませんでした。
ベトナムは生野菜大国でどこへ行ってもドサッと盛られたハーブや野菜をたんまり食べていました。
滞在中には友人、前職場の先輩後輩、親戚、家族、たくさんの人が訪ねて来てくれましたが、
「水大丈夫なの?」の問いに、私は自信満々で「大丈夫、大丈夫!」とローカルな食べ物を勧めていたのですが。
さて、ベトナムに住み始めて1~2年は原因不明の体調不良に悩まされていました。
激しい下痢、発熱、倦怠感。
環境が大きく変わって、まあ体調にも影響出るよねーくらいに思っていたのです。
4年を過ぎたころ、以前のような体調不良が起こらなくなっていることに気が付きました。
そのときです。4年も経ってはじめてハッとしました。
「あの体調不良は、水が原因ではなかったのか」
もう、自分でも呆れるばかり。
なんでも食べたいという気持ちが強すぎて、この腹痛は口にしたものが原因ではないのか、という、
