衛生面において問題があったのか、食習慣のせいか、
ベトナム人は定期的に虫下しを飲んでいるという。
母が幼い頃に飲まされた記憶がある、と聞いたくらいで、
私くらいの世代には縁のない話ではないだろうか。
大学では医療技術の勉強をしていたので、寄生虫についても一通り学んでいた。
当時でも日本では標本でしか見ることができなくなってしまったが、
何年かぶりにある寄生虫が海外から帰った人の便から発見されたとニュースになり、
関係者たちはどっと沸いたのだと聞いていた。
そんなこともあって、ベトナム人たちが虫下しについて話しているのを興味深く聞いていた。
職場のベトナム人の子が日本人の同僚に虫下しを勧めている。
「1錠飲めば虫が死ぬ。2錠飲めば自分が死ぬ。」と。
冗談なのか冗談でないのかなかなか微妙だ。
その同僚は1錠飲んでみたらしいのだが、飲んだ後目の前が黄色くなった、
と言っていたのを聞いて、私は遠慮することにした。
以前見た「ダイエットのためにお腹で虫を飼おう」なんていう電車の中吊り広告を思い出し、
虫がいたらいたで痩せるじゃん♪という都合の良いことも考えたりして。
3年後くらいにチビという犬を飼ったのだが、ある朝チビは気分が悪かったのか嘔吐した。
出てきたのはスパゲッティ。
そんなもの食べさせた覚えはない。
誰が食べさせたんだろう...?と考えていると、スパゲッティが動いた。
顔をあげてとぐろを巻いた。
わお!幻の寄生虫ではないか!
ちょっとコーフンしてしばらく観察して、写真も撮って、チビには虫下しを飲ませました。
結局、帰国するまで私は虫下しを飲まなかったけれど、
激痩せすることもなかったので縁がなかったようです。
