雨風は何とかしのげる。

ドアに鍵もかかる(南京錠だが)。

しかし、隙間と呼ぶには広すぎるほどの空間がある。

ドアの下、窓は枠しかないし、天井と壁の間も。

ゆえに、ヒトと大きな動物以外は割と入りたい放題だ。

 

蚊やGなどはもちろんなので、寝るときの蚊帳は必需品だ。

 

砂糖を目当てに蟻が行列をつくる。

ザラメのような砂糖を使っていたのだが、蟻の大群が砂糖のビンに入ってゴマ塩のようになり、

目的を達して出ていく頃には茶色かった粒が白くなっている。

どういうこと?

 

壁にはいつもヤモリがチョロチョロしていて、

オス同士の縄張り争いなのか、よくケンカも目にした。

壁に張り付いたまま向かい合い、尻尾を振るわせて威嚇する。

キョーッキョッキョッキョッという鳴き声もかわいい。

しかし壁沿いの床にフンが溜まるのが難点。

雨の日にはカエルがやってくる。

ある雨の晩は、ドアの隙間から茶色のヒキガエルがピョコピョコと入ってきた。

暇だったので寝っ転がったままずっと見ていたら、部屋の真ん中くらいで落ち着いて、

そのままだんだん頭の位置が低くなって眠ってしまった。

 

別の日には、洗面器に溜めた雨水を使おうと覗いたら、

足の長いカエルがすごいスピードでその洗面器をぐるぐると泳いでおり、

目が回りそうになった。

 

夜中にはトタンを支える梁をネズミが走り、

それを猫か何かがドタドタと追いかける。

 

隣の隣くらいのおじさんが闘鶏用の立派な鶏を飼っていて、

朝はそいつのけたたましい鳴き声で目が覚める。

 

人は勝手に入ってはこないものの、

夜中に酔っぱらって帰ってきた隣の夫を汚く罵る妻の声が筒抜けだし、

とにかく賑やかだった。