私が住んでいたベトナム南部は野菜や果物が豊富だった。

市場に行けば、見たこともない野菜や果物が山ほど並んでいる。

 

バナナだけでも生食用、加熱用など何種類もあり、とにかく安い。

 

パイナップル、マンゴー、ドラゴンフルーツ、ライチ、ランブータン

、竜眼、釈迦頭、ジャックフルーツ、ドリアン、マンゴスチン、

パパイヤ、ザボン、アセロラ、ココナツ、日本語がわからない果物がいくつも

 

季節にもよるが自転車の荷台に大きなかごを取りつけて

売り歩くおじさんやおばさんがたくさんいた。

 

フルーツ天国だった。

 

なかでも特に気に入っていたのがパイナップル。

パイナップルは舌が痺れるから苦手だったのだけど、

ベトナムで売られているのはすべて完熟、芯までも柔らかく甘い。

パイナップルやパパイヤなどは皮をむき、

縦に割って割り箸を刺したものを氷で冷やして売る移動販売が一般的だ。

一本5001000ドン(510円くらい)。

どこに行っても必ず見かけるので、ほぼ毎日食べていた。

 

しかし、このパイナップルを買うと、

必ずビニールの小袋に塩唐辛子を入れてくれるか直接振りかけてくれる。

 

日本ではスイカに塩を振る人がいるように、

パイナップルをはじめ、結構な種類の果物にこの塩唐辛子をつけて食べるのが習わしだ。

 

そういえば、学生のころイランからの留学生の友人がいたのだが、

その友人の「日本に来る前に留学していたインドでは、

馬に食べさせるスイカにも塩唐辛子をつけていた」という話を思い出した。

 

はじめは塩唐辛子なんてない方が美味しかったけど、

ベトナム人たちがつけろつけろとうるさいのでつけて食べているうちに、

塩唐辛子がないと物足りなく感じるように。

馬には必要ないと思うけどね~。

 

たまに、毒りんごのようにぴっかぴかに磨かれたりんごを売っっている果物屋を見かけた。

輸入品だという。

誰かにもらって一口食べたが、柔らかく粉っぽくりんごの面影はどこにもなかった。

 

やはり、その地で採れる旬のものがいちばんだ。