歌の伴奏は、一般的にエレクトーンよりもピアノで演奏することの方が多い気がする。そういうイメージが強いのである。

この場合、両手を使う「両手伴奏」ということになる。左手でコードのルート(根音)を押さえて、右手はコードを弾く。コードのポジションは、メロディーの音域なども考えるとあまり高くできないので、中央の「ド」付近をはさむ音域にする。これで、ボイシングは結構イケてしまう。あとは、曲想にあわせて刻めば弾けば、基本的には伴奏としては成り立つ。

それでは、この歌の伴奏をエレクトーンで弾くとどうなるか、ということを考えてみたいと思う。 そもそも、伴奏を普通にエレクトーンで弾くとどうなるだろうか。左手と左足で、できてしまう。ほとんどのことが一人でできるエレクトーン・・・。右手はメロディを弾くことに慣れている。でも、メロディは歌が歌う。同じ旋律を弾いても意味がない。

先日、「エレクトーンで弾き語り」ができないかと生徒から相談があった。演奏のレベルは初級の「中」ほどである。最初は『愛の讃歌』が歌いたいということだったが、歌うキーが「E♭」でコードが難しい。音が高くて出ないと困るのと、さらに弾けないと困るので、それらを考慮して、弾いたことのある『サン・トワ・マミー』を「C」のキーで、ということになった。イントロ、間奏、エンディングは、今までどおりのエレクトーン演奏のスタイルでいいとして、やはり、歌の部分を弾く右手はどうしましょうかということになった。メロディは演奏ではなく歌うので、右手は他のことができるのだが、これが音楽的に難しいのである。やはり、この問題にあたってしまった。

まずは、「サン・トワ・マミー」の意味や、アダモ、岩谷時子、越路吹雪などの歌にまつわる話をして、アダモの楽曲のスタイルやリズムを勉強させることにした。

これは、ちょっとした、アレンジの勉強になる。

(次回に続く~)


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