秋ですね。子供達が受験の頃は、秋の学校説明会なんかに行ってたなぁ。文化祭や学園祭を見学して、受験相談コーナーに立ち寄ったりしましたね。

そんなことで今日はちょっと、上の子(息子)の高校受験・大学受験の時の話を。

 

公立中学に通っていた息子は、中1の終わり頃、そろそろ高校受験のための塾に行こうかと、塾探しを始めました。

塾というのは、2月頃から新学年がスタートするとのことで、その頃にチラシがたくさん入っていたんです。

公立トップ高あたりに行けたら良いなと考えていたので、そのあたりの合格実績が高そうな塾の門をたたいた次第。

 

塾の入塾テストを受けた結果、幸い「一番上のクラス」に合格したのですが、そのクラスに入る場合は、「必ず早慶付属高を受験していただきます」と言われました。

 

 

え?うちは公立高校を志望しているんです。

公立高校から、普通に大学受験をしようと考えています。

 

公立がうまくいかなかった場合に備え、私立高校も1つくらい受験はすると思うけど、早慶受験は全く考えていませんでした。(早慶付属高は滑り止めにはならないので)

 

 

「いいえ、お母さん。

公立高校でトップにいる層というのは、早慶に合格して、それを蹴って来た子たちです。

その次の層が、早慶を落ちて来た子。最下層が、公立が第一志望だった子たちです。

高校受験の段階で、もう競争はスタートしているんですよ。下位で合格したところで、大学受験には勝てません」

 

え?そうなの…?私は一気に不安を煽られました。

 

でも、早慶付属高受験を視野に塾に行くということは、当然、そこに「合格する」ことを目指すことになる。

もし幸いに合格したとして、そこを蹴って公立高校に進学するということは、もう、「大学受験で東大を目指す」と同義ではないですか・・・?大学受験で早慶に落ちることだってあり得るなか、早慶付属高を蹴る勇気が、果たして我が家にあるだろうか?

 

逆に、早慶付属高に進学するということは、もはや、「大学は早慶に進学する」ということと同義だ。

もし早慶には無い学部に行きたくなったら?わざわざ、そこから外に出ようとすることは、普通に大学受験するよりエネルギーが必要だろう。学部ありきで、将来の道を探すことにならないか?

 

そして、早慶に落ちて公立に行くことになった場合、しなくてもいい不合格体験をすることにならないか?

 

 

私は息子に、早慶付属高を受験したい?と聞きました。今から頑張れば、十分ねらえるらしいけど。

 

「うーん、まだ大学のこととか、わかんない」

 

この時、息子は13歳。どう考えても、いま決めなくちゃいけないことだとは思えなかった。

まだ将来の夢が決まっていない。学びたい学問が決まっていない。

 

私たちは、その塾に入塾することを止めました。

そして、公立受験向けの、少しのんびりとした塾に入りました。

 

 

その後、息子が実際に公立高校に進学してみて、わかったことがあります。

 

トップ層にいる子は、どんな子か。

それはズバリ、「勉強した子」です。

 

高校受験で早慶の対策をしてきた子は上位にいる。それは「真」かもしれません。

でも、早慶の対策をしていなければ上位になれない。それは「偽」です。

 

上位にいるのは、勉強した子です。日々しっかり勉強していれば、しっかり結果を出すことができます。

 

塾によって、スケジュール管理や進捗チェックをしてもらうことで、うまく行くタイプの子もいると思います。

なので、塾を否定するつもりはありませんけど、必要以上に不安に思う必要も無いのかな、と思います。

 

 

うちの息子は、公立高校から(高校時代は塾や予備校に行かずに)普通に受験して、第一志望の地方国立大学に進学しました。

自分の学びたい学問をやるために、その大学に行きたい!と言って、高校2年の17歳の時に、自分でその大学を選びました。目標が定まってから勉強をやり始め、グングン順位を上げていきました。

 

息子自身の精神の成長具合や、将来に対する自覚などを考えて、この「17歳」というタイミングが最適だった、と感じています。

 

13歳の時に、余計なことをしなくて良かった。

息子が大学に合格した時、あの日の塾のことを思い出し、そう思ったことを覚えています。