今の仕事 ルート営業職について10年が過ぎた。

入社したての頃 何処の顧客先を訪ねても

皆が皆 「今日は◯◯さんじゃないんだね〜」やら

「あれ?◯◯さんは?」

「いつも◯◯さんに助けてもらってるよ」とある

1人の上司の名ばかり聞かされていた。

もはや 取引しているのが 弊社と顧客先ではなく

上司1人と全顧客なんじゃないかと思うほどに

上司の名前ばかり連呼する方々ばかりだった。

いかに 顧客から愛される存在であるかを

これでもかと言わんばかりに感じさせられた。

そんな上司は 顧客先だけでなく社内からも人望厚い。

私も接するうちに こうなりたい!と野望を抱くようになり 追いつけ追い越せの精神で仕事に打ち込んだ。

こんなに仕事に打ち込んだ日々はない。

遅くまで…休みの日も仕事の仕込作業を繰り返した。


あれから数年。


自分で言うのもむず痒いが

上司ほどではないにせよ 顧客から頼ってもらえるようになり それなりに役職にも就いた。

何より 嬉しかったのが 上司が出世したスピードより 早く、自社では異例と言われた二階級特進を果たす事が出来た。

努力は報われる。

そう実感する事が出来た。



待っていたのは休日、時間外なんてない地獄だった。

顧客から頼られたい 認められたい

がむしゃらになり 見境なく頑張っていたことを

顧客たちは 知ってくれている。

時間外も休日も捨て去り 働きまくったあの日々を
顧客たちは 忘れてくれないのだ。


「◯◯さんなら やってくれるよねー」

夜中だろうが 土日だろうが ひっきりなしに電話が鳴る事も少なくない。


日中に間に合わず 昼夜問わず平日休日問わず仕事しまくった過去の自分が 未来の自分の首を絞める事になろうとは 夢にも思わなかった。

疲れきった私は いつしか必要とされてるんじゃない。

いいように利用されている…と思うようになってしまった。

昔、憧れた上司は キラキラして充実した毎日を過ごしているんだろうなと勝手に理想化してしまっていたが 最近になり 上司のまいった顔を垣間見る事が出来たり ため息を漏らす瞬間が聞こえるようになった。

私は ようやく 憧れから次のステップ 理解へと歩み出したのかもしれない。

憧れは理解から最も遠い感情
この言葉は 恋は盲目という言葉とよく似ている。

本質が見抜けていない様をよく表していると思う。

余談だが 憧れは理解から最も遠い感情は
マンガ BLEACHに出てくる藍染惣右介の台詞である。