私には 馴染みの弁当屋がある。


可愛らしい おばぁさんが1人で営み

売り切れ次第で終了。


毎日 早めに行かなきゃ 間に合わない程の大盛況を博している。


とにかく味が美味い!

オススメは 唐揚げ弁当なのだが

これまた人気で 中々お目にかかれないのが悔しいところ。


ある日のこと。


唐揚げ弁当を求めて走った私。

残念ながら お目当ての唐揚げ弁当は すでに完売してしまっており 悔しさを堪えて残った弁当を
手に取った。


「これくださーい」とオバァに声をかける。


「いつもありがとね。ちょっと待ってて…
はい!これオマケ」

そう言って差し出されたのは

まさかの唐揚げ弁当だった。

私の本命の方がオマケでついてきたのもさる事ながら

「唐揚げ弁当あるんかい!!」

とズッコケそうになったが 有り難く頂戴した。

物価の高騰が続く昨今 厳しいだろうに

相変わらず ワンコインで弁当を販売してくれているオバァには 感謝しかない。

それなのに 2個もくれるなんて…

無我夢中で弁当を2個平らげた日の午後の仕事は
地球の重力が倍になったんじゃないかと思う程

身体が重かった。


それからも 相変わらず あの弁当屋へ行くと
飲み物、饅頭、トマトetcと様々なオマケがついてくるようになった。

念の為に言わせてもらうが

何も 私は オマケが目当てで通っているわけではない。

とにかく味が好み。

という一択でしかない。


弁当1個 ワンコインで売ってくれたら
もうそれだけで十分なのだ。

だが オマケオバァは 収拾がつかなくなったのか
オマケを探すようになってしまった。

そこで オバァが思いついたオマケというのが

「ふりかけかけるねぇ?」

オバァのサービス精神は とても有り難いのだが

私は弁当そのものの味が好きなのだ。

そこにトッピングは正直加えたくない。


やんわり ふりかけを断ると

オバァは 何処か淋しげな表情をしているように見えた。

なんだか それ以来 あの弁当屋へ行く事が
億劫に感じるようになってしまっていたが

意を決して またオマケオバァの弁当屋を訪ねた。

あの日の事がまるで何も無かったように

オバァは言った。

「ふりかけかけるねぇ?」





無論、私は断った