フランチャイズ・コンビ二会計における特殊なロイヤルティー計算において、廃棄ロス原価と棚卸しロス原価合計から取られるロイヤルティーのことを過去の裁判闘争などでは※「ロスチャージ」と呼ばれていました。今後は本ブログ内でもこの文言を使用することにします。
※「ロスチャージ」・・・チャージという文言はセブンイレブンで使用されているロイヤルティーのことを表すものであり、過去の全国各地での、複数のセブンイレブン加盟店経営者による裁判闘争等で使用されていた「廃棄ロス原価と棚卸しロス原価合計に課する不当なロイヤルティー」のことを示しています。
さて、わが国における現在のフランチャイズ・コンビ二は三大チェーンに集約されてきてますが、この三大チェーンで約52,000店舗を有しています。
ここでは最大手のセブンイレブンを例に挙げて説明しますが、セブンイレブンは現在約20,900店舗を有しており、直近のセブンイレブン単体での経常利益は約4,000億円のようです。
以下では、セブンイレブン加盟店のコンビニで一般的に想定される廃棄ロス原価と棚卸しロス原価の合計とそれから算出されるロイヤルティー金額を試算し、上記経常利益との比較を行ってみようと思います。
①セブンイレブン加盟店1店舗当たりの年間廃棄ロス原価金額
一日当たり廃棄ロス原価は2万円で、月間では60万円、年間では730万円と想定されます。
②セブンイレブン加盟店1店舗当たりの年間棚卸しロス原価金額
これは店舗によってかなりの差があると考えられますが、年間ベースでは100万円と想定します。
ただ、フランチャイズ・コンビ二での棚卸しでは通常では考えられないようなロス金額が計上される場合があり、加盟店経営者が自ら棚卸しを行えないシステムそのものに怪しさがあるといわれているようです。
③セブンイレブン加盟店1店舗当たりの年間ロスチャージ金額
①と②の合計数値にチャージ率(セブンイレブンの場合の全店平均チャージ率を60%と想定します。セブンイレブンでは加盟店の契約タイプと売上総利益金額による段階的チャージ率により総体として45%から75%のチャージ率のようです。)を乗じて算出しますと、(730万円+100万円)×0.6≒500万円となります。
この500万円という金額は、一般企業会計の売上総利益をロイヤルティーの計算対象とすれば取られる必要のないものです。加盟店経営者の年間収入が300万円程度の人が多くいるということを考えるといかにこのロスチャージ問題が深刻なものなのか、そして、フランチャイズ・コンビ二問題のすべての問題はこのロスチャージから起きているといっても過言ではありません。
④ ロスチャージにかかる消費税について
ロスチャージというものには消費税がかかり、上記金額の8%である約40万円もロスチャージに付帯する金額となり、セブンイレブン1店舗当たりの年間ロスチャージの合計は約540万円となります。
⑤セブンイレブン全加盟店の年間ロスチャージ金額は、上記540万円×20,900店舗≒1,130億円となります。
上記年間金額はロスチャージのみの金額であり、加盟店を運営するための従業員やパート・アルバイトの給与・手当の必要諸経費、さらには店舗建物や当該土地不動産が加盟店経営者自己物件なら店舗物件や固定それらにかかる固定資産税等もすべて加盟店経営者負担となります。
もし、すべてのコンビニをフランチャイズ・コンビ二本部の直営として行えば、ロスチャージによる収入もなく、かつ、社員、パート・アルバイト雇用による運営のため給与・賞与・手当て、社会保険料負担などの経費負担はフランチャイズ方式に比べて数倍の経費支出になると想定されます。
現在のフランチャイズ・コンビ二本部の親会社はもともとはすべて大手スーパーです。これらの大手スーパーの利益率はとても低く経営に苦心しているというのが現実の姿です。おかしなことに、大手スーパーの損益計算書ではコンビニ会計のような売上総利益の計算は行っていませんし、ロス減らしのために見切り販売や不良在庫処分販売を頻繁に行っています。
つまり、フランチャイズ・コンビ二本部が現在のロスチャージ計算方式をやめられないのは、連結決算を行っているグループ企業の経営体質が明らかに弱体化するからです。店舗数の多いセブンイレブンだから弱体化ですむのでしょうが、経常利益のより少ない他のチェーンではフランチャイズ・コンビ二本部の存続の危機となる可能性が高いためこのロスチャージ計算方式をやめるにやめられないという現状のようです。
なお、現在のフランチャイズ・コンビ二におけるロスチャージ計算方式とは、加盟店に商品を納めてしまえば、その商品が売れようが売れまいが、廃棄になろうが万引きに遭おうがフランチャイズ・コンビ二本部には同じロスチャージ収入が入るという仕組みなのです。
これでは、加盟店と共存共栄を図るなどと標榜しているのは絵空事だということですね。
※この書籍を読めばコンビニ問題がよくわかる。

※この書籍を読めばコンビニ問題がよくわかる。
