自分にとっての憧れであり,ヒーローが7月7日に逝った。
彼の名は「パンタ」
70年代初頭から日本語のロックに拘り,72年に結成した「頭脳警察」では過激な政治的な歌詞が問題となり
ファーストアルバムが発禁処分に。セカンドアルバムも発売から1ヶ月で回収となるなど、センセーショナルな
話題に事欠かなかった。 パンタ (歌手) - Wikipedia
自分が「PANTA」を知ったのは「頭脳警察」の解散後でありリアルタイムで頭脳警察は知らない。
まァ、頭脳警察の活動時期は小学生だから仕方が無いが。
中学生になり音楽のも目覚めたが、歌謡曲やアイドルではなく一端にも洋楽こそが格好が良いと思い込み
音楽情報誌を読みあさっていたが、そこの新譜の広告で「走れ熱いなら」というアルバム名が目に入ってきた。
ジャケットはモノクロであり、肩からギターを提げた長髪の兄貴が振り返るような姿の写真であった。
このアルバム名「走れ熱いなら」 が自分に凄いかっこよく響いてしまい,その後はサッカーの部活の最中に
よく叫んで部員を鼓舞していた。が、恥ずかしい事に、今でも部下に良く言ってしまう個人的なパワーワードで
あるが。(部下の皆さん、熱くてすみません)
そして多感な思春期にパンクロックと言う音楽ムーブメントに接したことで、当時「頭脳警察」は日本のパンクロックの
原点であるなどと評されたこともあり興味をそそられることとなった。聞いてみたい,その思いだけで頭脳警察のサード
アルバムをレコード店で注文した。
聞いてみた。♪ふざけるんじゃねぇよ、テメエの善人面を、ふざけるんじゃねぇよ、いつかぶっとばしてやらぁ♪
1曲目にぶっ飛ばされた感じがした。かといって、曲調はパンク的な荒々しいリフの繰り返しではなく,その他の楽曲も
バラード系ありと肩すかしを食らった感じは否めなかった。しかし、その他のアルバムを手に入れ、何度も聞いてみると
かなり詩的、情緒的であり、先鋭的且つラディカルな側面を持つことに感銘を受けることとなった。
また、PANTAを語る上で忘れてはならないのはオートバイである。
自分と同世代の方で当時から単車に乗られてた方には覚えがあるかと思うが「スコルピオパンタスペシャル」
確か「PANTA」がワンオフ?で作成したkawasaki Z400FXをベースとしたカスタムモデル。
カウル、タンク、サイドカバー、シートカウルが一体化した近未来的なデザインで、すげー格好が良かった。
結構、バイク雑誌にも取りだたされているし、プラモデルにもなっているから懐かしく感じる方もいるだろうな。
その他にもハスクバーナのスキー付きのオフロードバイクも所持していたような気がする。
彼はオートバイや車が好きで楽曲にもその端々が聞いて取れるなぁ
いつの時代も オイル漏れる
いつの時代も オイル切れる
ファースト・ギアー セカンド・ギアー 生き残るギアー
サード・ギアー トップ・ギアー 死に急ぐギアー
とびこせアスファルトを オートバイ オートバイ
おれの鋼鉄の夢 走って行け
(作詞は、ムーンライダースの鈴木慶一氏)
昔からオートバイに乗ると口ずさんでしまう曲である。
特にW1SAに乗るようになってからは実感として愛着ひとしおとなっている曲でもある。
自分は音楽を評論するほどの知識があるわけでもなく、PANTAや頭脳警察の音楽性をとやかく言えるわけではない。
ただし、40年以上にわたってPANTAの楽曲を聴いていたことには間違いは無い。中には何度も聴きたい曲もあれば、
好きではない曲もある。それらを含めてPANTAなのである。
発禁となった「頭脳警察1」のアルバムが2002年に再販されたりして、その初期の楽曲を聴くことができたり
youtubeでも聞くことができるなど便利になったものである。もし興味があれば聴いていただきたい。
ただ、ラディカルな部分がすべてに含まれており、あまり政治的な内容が好きでない方は注意を願います。
PANTAに関して思いはつきない。
まずは彼に哀悼を捧げ感謝の念で見送りたい。ありがとうPANTA そしてこれからもよろしく。