「敵艦見ゆとの警報に接し、連合艦隊はただちに出動これを撃滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し」 

 

コレは日露戦争の日本海大海戦を迎えた際に、大本営に向け作戦参謀であった「秋山真之」打電した一文である。

実は冬の茨城がこのような日が多い。ただし、自分の住んでいる場所は内陸であるため波ではなく、風が強いのである。

まさに「天気晴朗なれど風強し」の如くである。 だから、バイクに乗る機会が減ることは先日も延べた。

 

ってことで、今回もオフ車2号「TLM220」に関する話題。

トライアル車というバイクは通常のオフロード車と違い、軽業を取り柄とする。そのため乗車姿勢はスタンディングが基本である。市販車であるTLM220であっても、それを踏襲し町使いで座って乗るとポジションはかなり窮屈である。その理由は座面の低さもあるが一番は後方にセットされているステップの位置であろう。

 

低いシートと高めで後方にあるステップ。そのため、ニーグリップはできるはず無く膝は外側に向く「がに股」となる。まるで高校生がスクーターで足を広げているみたいになる。まあ、今回はそのポジションの話では無い。

 

このように後方に設置されたステップのためTLM220のシフトはリンクを介してシャフトと連結されている。コレはオンロードバイクなどでも採用されているからイメージしやすいと思うので割愛。

 

ただトライアル車は様々な地形の不整地で競技を行うため、通常の街乗りのペダルと水平のシフトでは障害にヒットしたり、誤シフトなどもあるためリンクを介さず直接シャフトにペダルを高位に取り付け、踵などで操作するダイレクトシフトが主流である。うちのTLMご多分に漏れずダイレクトシフトであった。

 

山遊びであればあまりシフトチェンジするわけで無いため、このままのダイレクトシフトでも問題はないけど、通常は圧倒的に一般道の走行が多いわけだし、普段使いでは不便である。じゃ、ヤ〇オクでポチッととは考えるが、TLM220用のノーマルのシフトリンクは滅多に出てこない。出品があったとしても同じ悩みの形が多いのか入札は多いし金額は2諭吉くらいにもなる。でも何とかしたい。

 

じゃあ、しゃんねーから作っか!

 

とは言いつつ、もう改造が済んでしまったいるので、紹介であるため写真少なく文字が多い事はお断りしておく。

 

 

左はTLM220の純正のリンク式シフトである。そして右側は「TLM50」のリンク式シフト。

このTLM50のシフトが使えるかもとヤ〇オクで以前に格安で落札をしておいた。なぜ使えるかと判断したかだが、調べてみたらペダルの後端の軸となる穴の径が両者とも同じであったからだ。(ココが合わなくてはどうしようも無い)

 

ただし、この両者のペダルを比較するといろいろと違いがある。大きな違いはリンクが装着される位置である。220用は上部にリンクが付くのに対して50は下部に付く形である。また、リンクの長さも違う。このまま50用を220に移植する事はできない。仮にリンクを長くしてもかなり下の方に伸びるため、軽業をしなくても不整地では障害となる。それと、もう一つの問題がギアシャフトの取り付け(スプライン部)は220は深い位置にあるため50用では内側に追いやられてしまいスムーズに力が伝達できなさそうである。

 

まずはリンク位置の変更である。50用をひっくり返して上リンクにしようとするとペダルが内側を向くため装着はできない。

でも軸部は一緒である。 また、短絡的な発想であるが

 

切って溶接すっぺ!

 

てな訳でペダルアームの真ん中で切断しペダルが外を向くようにして溶接。コレで軸には付いた。

次に問題となるのはシャフト部分の取り付けである。いろいろ家や友人のジャンク品を探したけれど合致するような物がない。 ここで新たな短絡的な発想が

 

穴でも開けっぺ!

 

てな訳でこのような形に

 

ペダルアームの溶接後が判るかなぁ。なるべく溶接しやすく厚みがある場所を選択

リンクはホームセンターで高ナットM6×30mmと寸きりボルト30mmと25mmの組み合わせで自作(250円くらいかな)

寸切ボルトのロックナットを緩めることで長さの微調整も可能。

 

 

さて、ギアシャフト部分は結局、既存のペダルに穴を開けボールジョイント介して直接リンクを取り付けてしまった。だから、シフトペダルが2つある奇妙なバイクに仕上がった。

 

 

既存のシフトの中間で切っ飛ばす事も考えたが、特に邪魔になるわけでもないし受けも狙えるかと思い残してみた。

特に使用に関しては問題はないが、後から考えると既存ペダルの穴の位置はもう少し上の方がシフトフィールは良い気がするし、ペダルの位置も上がるような気もするけど、シフトアップには問題はないから良しとしてしまおう。

 

この二刀流(って言うのかな?)にしてみて、着座している街乗り時のシフトは純正と近い形になったから容易になった。

その反面、スタンディングではシフトの際、時々ギアが入りつらかったり膝や足関節に動きが出るため左に重心が寄る感じがする。その部分をカバーするのが既存ペダルによるダイレクトシフト。小さな動きでカチカチと決まる。

 

ウケに関してはどうだろう。地味な部分だからあまり気づかれないかな。

でも、気がついた人の反応は「なんすかぁ、コレ」が大半。そりゃ、そうかもしれない。

その都度、この記事の上からココまでを説明している。

 

もしかしたら「日本初」かもしれない。特許申請も考えている、師走の忙しさが一段落したこの年末。

 

でも、特許申請ってどうやるんだろう。東京特許許可局に申請すんのかな?マジ、考えよう(笑)