よくよく考えてみれば、始動性に関しては製造から25年以上だし、いろいろな意味での経年劣化はあるだろう。
と,今までにはキャブのオーバーホール、ジェット類の交換、朽ち果てていたエアクリーナー交換、プラグキャップ一式交換、点火時期確認などそれなりに対応はしてある(つもり)
まして、こんなに始動性の悪いバイクを天下の「ホンダ」が市販するわけが無い。じゃぁ,やっぱり自分のかけ方が悪いんだと自分を責めてみたが解決につながるわけでも無いから、下手でもかけられるように対策をするしか無い。
じゃ、何が悪いのか? きっとコレだろう
このキックペダルの形状が悪いのではないか、そのため自分の始動テクではクラックを回しきれずに有効な火花が発生していないのではないかと推測してみた。そうするとペダルを換えてみたらどうだろうか。
ネットでキックペダルの汎用品や他車からの流用などの情報を調べてみたら、ありました。
定番は「スズキ RG250ガンマ」のキックペダルが流用できるとのこと。と、Yオクを探ってみると何点か出品されているが「オイっ!」と言いたいくらい高値をつけてある物もある。そんな中で程度中だが比較的安めの物をポチッと落札。
それがコレ
TLMの純正品と比較してみると、こんなに形状が違う。
ガンマの方が長さが若干長い分、力の伝導は純正品より良さそうである。それに、純正品より外側にオフセットしているから,もしかしたらステップとの干渉が無いかもしれない。
でも、ガンマのキックペダルを手にして感じたのは「重ぉ」
折角だから、純正品とガンマキックとの重量比較ぅ
まずは純正品から
250g 流石はアルミ製品
続いて、ガンマキック
おおぉ、結構あるじゃない 530g
純正品の2倍強の重量。そりゃ重く感じるわな。
でも、RG250ガンマがでた当時はアルミフレーム等で軽量でならしていたけど、意外や意外。
取り付けてみると、がたつきも無く純正と遜色の無い感じ。フレームやシリンダーヘッド、右足への干渉も無い。
踏み代は若干長くなった分、後方下部に下がった感じもする。また、外側にオフセットしているので踏込みもしやすそうである。見た目も頑丈そうなのも良い。重量は、軽業するわけでもないし 始動性 > 重量と割り切る。(きっと重さを感じるほど敏感では無い)
踏み込んでみると・・・
カツーンとやっぱりステップに当たる。でも当たる位置が微妙であと1cm外側なら干渉しなかったのだが。残念。
この写真は対策後の検証で撮影したため、ココに答えがでている。
以前、何かに使えるかと100均で購入していたゴム付きフック、これが2個入って税込み110円ってお得だよね。
このゴムを利用してこんな風にしてみた。
ステップに干渉するなら、そのステップを動かしてしまえ的な対策。
実はコレはKTMのエンデューロマシンが走行中にサイドスタンドの下がってくることを防止するため、ゴムで吊る事になっている所からヒントを得ました。まぁ、KTMに比べるとかなり貧乏くさいけどね。
ほら、ご覧の通りステップへの干渉は解消されたでしょ。
でもね、でもね、純正よりも若干深く踏み込めるようになったけど今度はフレームに干渉していまい、結構がっつり食い込んでしまい踏み込んだ後のキックペダルが戻らない問題が発生した。
うぅん、どうすべ。
普通、キックスターターの場合、キックペダルはステップの下の深い位置まで踏み込んでいる。でも、フレームに干渉して踏み込めない(踏み切れない)じゃあ、邪魔な部分を削ってしまえば踏み込めるンじゃん
フレームを削ることにした(笑)
コレがまた大変。
エンジンがあるためヤスリの能動域が2,3cmしかないため効率がすこぶる悪い。チマチマ、チマチマ削る。
フレームだけであれば何の気兼ねも無くグイグイ削れるだろうし、ベルトサンダーを使用すれば短時間で処理はできるだろう。でも、エンジンを降ろして削って乗せる時間を考えたら、チマチマ,チマチマの方が労力も時間も使わないと思い敢えてこのまま頑張ってみた。
ちなみにキックペダルの動きが円運動なので、ヤスリは半円ヤスリを使用し平面での干渉が無いようにした。
チマチマ削り、ペダルをつけ干渉確認。また削って確認しての繰り返しで、約1時間でほぼ干渉は解決できる程度となった。
少しの干渉はキックを繰り返していれば自然に削れるだろう。
はい、結果はどうでしょう。
バッチリ,キックペダルの可動域が広がりましたねぇ。これでキックからクランクへの力の伝達も大きくなり効果が出るのではないかな。と、キックにてスタート!
足の痛み ⇒ 問題解決
ステップの干渉 ⇒ 問題解決
フレームの干渉 ⇒ 問題解決
エンジンの始動性 ⇒ エンジンが冷えている場合 ⇒ 数回のキックで始動
エンジンが暖まっている場合 ⇒ キック1発で始動
って事は 大成功!
ただ、問題点も発生。ステップを吊っているゴムを外すのを忘れて走り出してからステップが無い事に気づくこと。
コレは習慣化すれば大丈夫かな。