(2016.2.18 01:00現在の記事です)

(あくまで私の私見です)

 

2015年12月にアメリカ・カリフォルニア州で起きた14人が殺害された銃乱射事件に際し、カリフォルニア州連邦地方裁判所は、犯人が使っていたスマートフォン(iPhone)のロック解除のために、米Apple社に対し、協力要請をした件に関し、

現地時間2016.2.17、米Apple社のCEO Tim  Cookティム・クックは「拒否」を表明しました。

同社の公式Web Pageには、A message to our customer としてそのコメントを載せています。

http://www.apple.com/customer-letter/

 

この件は、FBIが、犯人の行動分析などを行うため、犯人が使用していたiPhoneの解析を行うために、ロック画面パスワードを解除しようとしたのですが、Apple社は当然そのパスワードは知りません。(個人が設定したものなので)

 

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私のは四桁です

 

そこで、FBIは総当たりでパスワードを全て入力することにしました。

しかし、iPhoneには、パスワードの入力を10回間違うと、そのiPhoneのデータが全てぶっ飛ぶという仕組みがあります。

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ここの、設定で変更できます。

 

FBIと裁判所は、Apple社に対し、その「10回間違うとデータが消去される」機能を解除する技術協力を命じるようにしました。

 

今回その裁判所命令に対し、Apple社は、「拒否」をするといいます。そして、同社は、その意思をアメリカのApple社の公式ホームページに公開しています。

 

そこには、A message to our customerとして

 

”米政府はアップルに対し、顧客のセキュリティーを脅かす前例のない措置をとるよう要求した

 われわれはこの命令に反対する。

 目下の法的事例をはるかに超えた影響が引き起こされる恐れがあるからだ

米政府がわれわれに要請したことは、われわれがまったく持っていないもので、

 作ってしまうとあまりに危険だとわれわれが考えるものだ。

 政府はiPhoneへのバックドア(セキュリティーを回避する秘密の裏口)を作れと要請しているのだ”

 

と表明しています。

 

私の私見ですが、この拒否は、最近のアメリカの「テロ」に対する流れからとても反するものとして、驚きの表明です。

もちろん、14人もの無実の人たちを殺した犯人を擁護するわけでもないですが、

今回のような捜査協力のために、アメリカのみならず、全世界の全てのiPhoneユーザのセキュリティを脅かす事を要求であり、Apple社がユーザに約束している「安全性」を脅かす事に成るからです。

(裁判所は、この技術協力は、今回の事件のみに対応するのであり、他の事件や事案に対し対応しないと言っていますが、どこの誰が、「金庫の暗証番号を知っているけど、金庫は1回限りしか開けないよ」という言葉を信じるでしょうか?)

 

このような事例は、実はアメリカでは多く、Microsoft社やGoogle社はアメリカ政府に対し捜査協力という形で技術協力をしています。

例えば、Google社のグーグルマップ。ここには、軍需秘密情報(基地やその整備状況)は見えませんし、多くのアメリカ系IT企業は、捜査に必要なデータの提出をしてきました。

この事が露見してから、多くのユーザの不安や不信を買ってしまい、

最近は、このような裁判所命令に対し、IT企業は消極的です。

 

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ITのスペシャル権限、administrator! 


過去、Apple社も捜査協力はしてきていたそうです。けれども、今回は・・・なのでしょう。その決断を私は支持します。

もちろん、悪い事は悪いです。その罪は裁かれるべきです。

でも、それとは別かと思っています。

 

アメリカは自由の国と言いますが、実は9.11同時多発テロ以降成立した、Patriot Act(愛国者法)という法律がアメリカにはあり、テロの阻止のためには、どんな事にも協力しないければいけないという法律があります。

これは、テロの危険や疑惑があると理由で、財産の差し押さえや、強制捜査権限などを持っています。(まだ実行前で、「疑惑」なだけです)

これらは、現代社会では、メールやメッセージ機能を持ったアプリケーションなどを通じて情報は入手できます。その閲覧権限を政府が持っていたら・・・

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全然、プライバシーないじゃん!

 

ベッキーのLINEも政府からしたら簡単に入手できますね!


という話です。

 

過去から全ての暗号には、必ず鍵があり、その鍵を解除する事で様々な情報戦に勝ってきました。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの暗号は、暗号解除に失敗すると

特殊な液が漏れ出し、メッセージの書かれた紙を溶かしてしまいました。

 

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第二次世界大戦では、ドイツ軍が持っていたエニグマという、当時最強の暗号がありましたが、イギリスを始めとする連合軍がその解読をしたことで、戦争に勝ったとも言えます。

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(日本軍が持っていた暗号も、アメリカ軍に解読されていました)

 

真の平和を願うけど

その為に、どこまで犠牲をはれるか?

 

考えるところが多いです。

 

 

エニグマ解読の映画は面白いですよ