久しぶりに痛快な本を読んだ、と思う。
私が感じたこともある違和感をこうやって活字でまじまじと読んだのは初めてだったと思う。
著者は結婚することで名前が変わることに違和感を感じ、
事実婚で妊娠出産をした松田青子さん。
この本には、選択制夫婦別姓のことや、妊娠出産を通して著者が感じたことが
赤裸々につづられていると私は思う。
こういうことあったな、とかわかってほしいとか思ってたけど口にしたことはなかったとか
はたまた、母性とは、母とは、女とはこういうものといういつからか染みついていて
疑問にも思うことすらなかったようなことについても言及されていた。
私は結婚した時に、あまり深く考えずに夫の姓を名乗ることにしたけど、
それでもちょっとした違和感を感じて入籍前に抵抗したみた。
理由はひどくくだらないけど、
・ハンコを新調しなくてはならない、しかもオーダー(100均で売ってない名前)
・銀行とかもろもろの名義変更(しかも一つ二つじゃない)
・仕事上別人になること
・いちいち説明するのが面倒くさいこと
それを夫は「面倒なら別姓でいけばいいじゃん」と、いとも簡単に言ってのけたことは今でも忘れない。
さらに、当時人事の仕事をしていて、メールだけのやりとりの人とか
いきなり苗字が変わっていたら、取引先や学生から担当が変わったのかびっくりさせたり
名刺を新調したりとなかなか面倒そうなので、「旧姓で仕事をしたい」と上司に言ってみたら
「それはできない」とこちらも一蹴された。(当時はそんな制度すらなかったと思うけど今は改善されていると思いたい)
ありえないでしょ?みたいなニュアンスだったけど、経験のない人(予定のない人)には分からないことなんだと今回改めて思った。
あの時のささやかな抵抗が、代弁され活字化されてるような気さえした。
とはいえ、私も多少の違和感を持ちつつも、
自分があっさり苗字を変え、結婚すれば妻側が苗字を変えるものと刷り込まれていたのも確かで、
女性が苗字を変えないパターンを「お婿さん」と言って特別なことのように扱ってたことも否めない。
なんだかんだで私自身がガチガチなこれまでの風習みたいなものに縛られていたんじゃないかなと思った。
これはこれ以外のことに対してもまだまだあるなーと思って。
何かを見るときそのいろんな側面からみられるようにしたいし、
〇〇だから、〇〇なのに、という見方が少しでも変えられるようにしたいなと思いました。
(と急に敬語)
女性側にも言いたいことがあるように、もちろん私の見えていない男性の立場、
働く時なら、上司の立場、部下の立場、雇用形態のちがい、人って本当にいろんな立場があるもんで
それぞれのいろいろはやっぱり言葉にしないとわからなかったりするわけなんだろうな。
強くないとならない部分もあるし、弱さを見せられない人もいるんだろうし。
もっと素直にシンプルに生きられればいいのになと思います。
そんな色々を思った本でした。いろんな人が読んで、
シェアとかしたらまた発見ありそうです。