朝井リョウさんの小説は、

『桐島、部活辞めるってよ』と今回の『武道館』で2冊目。


『桐島、部活辞めるってよ』を読んだときに、

なんと文章がみずみずしい!と思ったものです。(個人の感想です)

もう数年前なので、内容はうっすらですが、

きっかけは映画化だったと思います。



『武道館』はアイドルとして活動する主人公と、その周りの人々、同じアイドルグループのことが描かれていて、武道館のステージに立つことを目標にしながら悩みながら活動していく様子を軸にしています。(と思います)



武道館…私は大学の体育会で一時期剣道部に所属していて、試合で行ったことのある場所でした。

その後、aikoのコンサート、他のアーティストのコンサートで訪れることになるわけですが、

武道館は、武道を志すものにとってはもちろん、聖地的なものであることは肌で感じていました。

そんな思いも相まって、読み進めた『武道館』



後半に行けば行くほど、

アイドルというものが、いかに異質なものなのかというのが浮き彫りになるようでした。

変わらないことと変わることを同時に求められたり、

今までやってきたことすら否定されるようなこともあったり、

誰しも自由にできることができなかったり。

不便なこと、不都合なことは隠していかないとならないわけで…


こういう方々の私たちの見えてる部分は本当に一面でしかないんだなと思いました。

裏面も側面ももっといろんな面があるのに、

私たちは見えてる一面だけをみてなんて勝手な判断をしているのだろう、と。



人のことを思うときは、

一面だけで判断してはいけないし、思い込んでもいけなくて、言葉の奥にあるものも時には引っ張り出さないとならない。

相手の本当の気持ちなんてどんな手を使ってもわからないのかもしれない。


どんな立場の人もなんのしがらみもなく、せめて自分くらいは自分の気持ちに正直に生きて行けたらいいのにな。


そんなことを思いました。



お読みいただきありがとうございます。