絶望と期待のまんなかで

グランドシミュレーションが始まりました。

飛び出し、空中姿勢、着地などひととおりのポーズをおさらいします。

「おならは我慢しなくてえからねー。」とまた、ぶち込んでくるタンデムマスター。笑

さて、装備開始。
ゆったりめがいいと渡されたMサイズのツナギは、ふくらはぎまで穿いたところでLに替えてもらう。

紅い豚参上!ツナギは、落ち着くねぇ。
あ、一応ツナギの下にダウン着てますから。

ハーネスを別のスタッフが着けてくれました。


そのあとマスターがキツキツに締め上げて、赤いボンレスハムが飛行機へ向かう。

パイロットは、ピーターさん。日本大好きドイツ人。飛行機を操縦して利尻島にウニ食べに行っちゃうこともあるらしい。

ちっちゃなキャビンにマスターとふたりで乗り込み、いざテイクオフ!!

高度を上げていくと、眼下に広がる北の大地がホントに美しい。

麦畑、田んぼ、長い直線道路、大雪山系

その都度、マスターは解説してくれる。


雲の上にいくと、光の輪と機体が雲に映るブロッケン現象も見えました。

マスターは、ときどきふわっと肩に手を置いてくれる。なんだこの安心感は!

吊り橋効果か?惚れちゃうやつか?


わたしもリラックスして肩の力を抜いて、飛び出しのときを待つ。



トントンと合図と同時に、降下ーーー!


くるんと回って、次の合図で空中姿勢

おちるーーー



つぎの合図で、パラシュートが開く。



ひゅー❣️ 気持ちいい。





空が青くて、地面はみどり そしてとても静か。


操縦もさせてくれるので、回転したり止まったり


楽しく飛んでいたら、

「はい、コメント!」とカメラを向けられる。

「サイコー!しあわせ〜!」なんて言ってたら

マスターが、「お父ちゃん、愛してるは!」


と、またぶっ込んできたので、「あ、お父ちゃん、愛してる」と言っておく。もうやけくそ。


まさか空のてっぺんで愛を叫ぶことになるなんて想定外…。


安い。


上空のわたしの奇声は、地上に聞こえていたみたい。そういえば、ひばりの鳴き声も良く聞こえるよね。


いつまでも飛んでいられないのが、パラシュートの宿命。



着地ポーズは風速によって2パターンあって、地上でサポートするバディとの無線で、直前に決めます。


なんかよくわかんないうちに、着地。



ぼてっ。

もう一回やり直したい。





地上で待つ家族や居合わせた人たちの拍手と笑顔に迎えられ、紅い豚はシュールな絵面で無事ご帰還となりました。


うしろからマスターが
「はい、お返ししまーす。」と言うのが聞こえた。



楽しかった。


この瞬間のために、空の上にも地上にも本当にたくさんの愛があつまっているんだ。


って気がついた。


マスターは、次のジャンプの準備に向かって行った。


迎えてくれる、見守ってくれる人や場所があるってこんなにしあわせなんだ


って、



10秒くらい感動した。



みんなありがとう。ラブラブラブラブグリーンハーツ


わたし、やったよ!







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無事飛んで、そのあと静かなところでゆっくりして


帰り道、真ん中娘を降ろして別れるときに、



後部座席に荷物を入れてドアを閉めたら、




発車された。


いつか轢かれる。ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ

真ん中娘が「気をつけて、怒らないで帰ってね。」と見送ってくれた。



そして、ダイビングクラブのスタッフに「仲良くやってね。」と送り出された理由も、彼は知らない。

今思い出したけど、三十数年まえウェディングケーキをひとりで入刀したのも、彼だ。


でも、これがわたしの人生なのだ。


面白そうだから、自分の人生をゆるす。