行ってきますと言って外に出た30秒後に自転車で転んだ。
当時、私の住む町は氷点下1℃で路面は凍結していた。
右側の額に幅5cm大のたんこぶが、右膝もこんもりと腫れ、両掌が痛みで握力3kgくらいになった。
誰も見ていなかったので助けはなく、1人で立ち上がりただいまも言わずに自宅へ戻る。
妻子は驚いていた。
私は頭を打っていたので仕事に行くのを諦め、駅前の脳神経外科クリニックに受診をしようと考えていた。
すると、妻が仕事をお休みして車で送迎してくれると言う。
なんて優しい女性なんだ。
この人と結婚してよかった。
それに付随して次女も保育園をお休みすると騒ぎ出した。
お父さんとお母さんだけ休むのはズルい、それが彼女の言い分だった。
荒れる次女に対し、両親が仕事を休むのだから保育園はお休みだよとなだめる。
長女と長男は予定通り登校した。
俺のようになるな、とだけ伝えておいたが、やはり長男も転んだらしい。
怪我はなかった。
駅前の脳神経外科は新しいクリニックだった。
医師はホームページのプロフィールに釣りが好きみたいなことが書いてあったので、迷わず診てもらうことにした。
MRIで脳に異常はない旨確認し、安堵した。
しかし、医師は言いにくそうに私に告げる。
偶然見つかったのですが、右眼の後ろの動脈に少し腫れがあります。
これは大きくなり破裂するとクモ膜下出血という厄介な状態になります。
数ヶ月おきに経過を観察しましょう。
と言うわけで、私は春にまた検査をする。
これは文字通り、怪我の功名なのか。
あとは通勤災害が認められるのか。
右眼の視野が狭くて煩わしい。