嫁と子どもらは未だに帰ってこない。
そもそも、コマオが余裕を匂わせる返事をしたのがまずかった。
昨晩、嫁はLINEで「明日、帰ります」とご実家からの帰宅を宣言した。
少し胸が躍ったコマオは「早いね」と返した。
これを嫁は(もっとゆっくりしといでよ)と読み取ったらしい。
そして、今、嫁と子どもらはいない。
一人静かに出来ることは何か。
コマオは小説を読む以外に思いつかない。
活字は何よりコマオに知識を与え、人の気持ちを察する能力を上げる。
ほんのつい先ほど、藤野恵美氏の『ハルさん』を読み終えた。
娘が結婚してしまうなんて、今のコマオにはダメージが大きかった。
『ハルさん』自体はとても面白い小説でした。
娘の結婚とは、相手の男性が憎いのではなく、娘を育てる役目を終える寂しさが父親を支配するのかも知れない。
コマオの娘は2歳4ヶ月。
何十年でも子離れ出来ない自信がある。