コマオはトラベラーズノートを開いた。
恐る恐る八月のカレンダーを見ると、夏なのに空白が目立つ。
コマオの八月はアリエッティを鑑賞し、実家で両親と会い、嫁のご実家に宿泊し、愛すべきクラブの応援に三度ほどスタジアムへ赴いた。
それだけである。
一見、海にも山にも行ってはいないように思われるが、コマオの実家はほとんど山であり、嫁のご実家には海がある。
ただ、ハイキングはしていないし、海水浴した記憶も日焼けも無い。
花火はしていないし、観てもいない。
祭りは混雑が予想されるので、嫁が行きたがらない。
暦は九月になり、寝床の周辺では赤とんぼが目立つようになった。
季節は移ろいでいく。
避暑地か温泉に行こうと思い、貯金箱に入れていた小銭が三万円弱になった。
本当はもう三万円あったが、名古屋遠征や日本代表チケット購入のため手を出してしまった。
何をするにも中途半端だった今年の夏が終わっていく。
コマオは自身が思っているよりずっと、この記録的な猛暑に負けていたようだ。
さて、九月である。
今のところは愛すべきクラブの応援に二回赴き、日本代表の試合を観戦し、救命救急講習のため最寄の公民館を訪ね、フットサルの大会に出場し、職場の秋祭りを事故無く終える予定である。