消化器内科で検査をして貰える事になり、

一応、安心しました。

 

夜、東京に帰る事を父に伝えると、

父は、「寂しいよー。寂しいよー。

寂しいよーえーんと連呼して。

 

私が父の声をはっきりと聞いたのは

この言葉が最後です。

 

次に会う時はもう声が出せなくなり、

息で一言、言うのがやっとになるのです。

 

 

帰り際、「お父さん、バイバイ」と言って

手を振りました。

 

父も大きく手を振り返してくれて。

父が手を振ってくれたのもこの日が最後です。

その後、父は手が動かせなくなります。

 

病室を出る時には、この事を暗示して

いるかのように負の感情が押し寄せ、

嫌な予感がして。

 

それなのに、私はどうして帰って

しまったのだろう、

せめて、終電まで傍にいればよかった。

本当に後悔しました。

 

 

帰りの移動中、姉からラインが山ほどありびっくり

都内のがんセンターに転院できないか

という内容。

 

ラインのやり取りは深夜まで続きます。

 

今夜も、候補病名が調べられず。

 

翌朝、電話で母からも転院の事を言われます。

 

気が動転しているところに、母と姉に煽られて、

私はとんでもない行動に出るのです。