肥後椿は熊本地方で改良された独特の椿のグループです。


肥後は江戸時代より藩主の意向により、花の文化史上一派をなした伝統のある地方で


この肥後椿のほかにも肥後ギク、肥後ショゥブ、肥後シャクヤク、肥後アサガオなどが


有名です。


 これらは、花が一重咲きのシンプルな整った形をしたものが多く、いずれも花芯の


オシベが非常に発達している。(通称梅咲きともいう)


 これらの花を作り出したのは、江戸時代からの伝統のある「花連」と称する武士や


豪農階級を中心とした園芸グループです。


 肥後椿は約八十品種あり、長い間「花連」の間にだけ秘蔵されており、門外不出と


さていた。公開は勿論のこと、苗の頒布も禁止されていた。全国的には昭和三十年代に


紹介されたといわれております。


 肥後椿がその本領を発揮するのは盆栽です。太い曲がりくねった野生の椿の根や


幹を掘ってきて、それに接木をし、数年で立派な盆栽に仕上げる独特な技術によるもの


です。


 最近は庭木にも優れているので独特の花を楽しみに植えている人が増えている。


  「肥後京錦」

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 「旭の湊」は京錦の枝分かれ。
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