私が5歳のときの出来事です。
母が近くのスーパーに買い物に行っている間、こま(私)はひとりでお留守番をしていました。
母がいなくて手持ちぶさたなこまは、ふとテーブルの上に置いてあった体温計に目がとまりました。
当時、我が家にあった体温計は水銀体温計でした。
体温が上がると赤い線が上昇していく旧型タイプ。

これね。

5歳の好奇心旺盛な子どもだったこまは、この体温計の赤い線がどこまで上昇するのか見たくなりました。
こま「なにか、あったかいものないかなあ・・・」
と、まわりをキョロキョロ。
季節は真冬。
家には、こたつとストーブと、ストーブの上に乗っているやかんがありました。
こま「わーい、いいのがあった♪」
おもむろにやかんの口に体温計を近づけてみるこま。
パリンッ
と、近づけてから1秒もしないうちに体温計の先が割れ、やかんの口からやかんの中に水銀が流れていきました。
こま、顔面蒼白。
ど、ど、ど、ど、どうしよう。
このときのこまの頭の中を占める感情はひとつのみ。
体温計を壊してしまった。
お母さんに怒られる。
怒られる。
怒られる。
( ゚д゚)
どうしようどうしようと、競歩選手のような歩き方でこたつの周りをぐるぐる回りながら対応策を考え始めました。(当時の癖)
いい案が浮かばないので、とりあえずやかんをめちゃくちゃ洗い、すすぎ、水銀を流します。
そして新しいお水を入れ、ストーブにかけておきました。
こま「と、とりあえず体温計は元の位置に戻しておこう・・・。」
先が欠けて役割を果たせなくなった体温計を、いつも置いてある定位置に戻しておくことにしました。
定位置は背丈の高い書棚の上と、こまの背の届かない場所にありましたが、雑誌や週刊誌を積んで階段をつくり、なんとか届いたので置いておくことができました。
さっきまではテーブルの上に置いてあったため違和感アリアリですが、仕方がありません。
これからみんなが一度も熱を出しませんように!!と、願をかけます。←バカ
この時はとにかく体温計を壊してしまったことに慌てふためき、怒られるかもとかそんなことより、もっと重大な過ちを犯してしまったことをこの時はまだ気づけませんでした。
母「ただいま~」
そんな中、母帰宅。
こま「・・・おかえりなさーい・・・」
落ち着きなくこたつの周りをぐるぐる回る我が娘を見て、母は、
母「ん?なんかやらかしたな、コイツ」
とすぐに勘づきます。
普段は天然爆発ですが、さすが育ての親。
私は当時、普段は子どもらしくなく大変落ち着きのある子だったらしいのですが、なにかやらかしてしまった時だけやたらパニクるのですぐわかったそうです。
母「(今回はなにをしたのかしら。まぁどうせ後でわかるからいいか・・・)こま、ひとりでお留守番えらかったね。あー、今日は外がすごく寒いわ。あったかいお茶でも飲もうっと。」
しばらくの間、ティータイム。
その間に、兄(当時中学生)が帰宅。
兄「お母さん、俺、風邪ひいたかもしんない。葛湯作ってくれる?」
母「あら大変。あ、そういえば、ここ(テーブル)に置いておいた体温計は?お母さんも今日は熱っぽくて、帰ってきたら測ろうとしてたんだったわ。忘れてた。」
ジュースを飲んでいたこまが、再びこたつの周りをぐるぐる回り始めました。
母「・・・こま、体温計どこにやったの?」
あっけなくバレて、事の詳細を説明させられます。
こまから話を聞いた母が、話が終わるか終わらないかのうちに、定位置の体温計を確認し、慌ててストーブの上のやかんを流しに持って行きやかんに水を流しっぱなしの状態にしました。
また、極寒の日なのにキッチンと居間の窓を全開にしました。
そして、こまの手をつかみ、洗面所に連れて行きすごい勢いで手を洗い始めました。
普段のおっとりとした動きの母とは違い、俊敏な動きに戸惑うこま。
母「もうっ!バカっ!なんてことしてくれたの!!なんで体温計を割っちゃったことをさっさと言わなかったの!?
こまが割った体温計にはね、毒が入ってるのよ!
お母さんとお兄ちゃん、さっき毒が入ってるお湯でお茶を飲んじゃったから、死んじゃうかもしれないよ!?」
こま、それを聞いて一瞬固まった後、号泣。
うわあーーーーーん!!!
「お母さん、お兄ちゃん、死なないでーーーー!!!」
・・・大丈夫です。母も兄も本日現在までピンピンしております(笑)
どちらかというと子どものこまが一番心配されましたが(直に水銀を触ってしまったため)、幸運なことに水銀アレルギーにはならずに済みました。
水銀は気化するため、すぐ換気をしたのも良かったみたいです。
そして、やかんは当然というかなんというか、その日限りで処分されました。( ; _ ; )ごめんよ。
ほんと、自分の子どもだったらお尻百叩きでは済まない大馬鹿野郎ですorz
しかし、巡り巡って数十年後、違う形で水銀中毒になろうとはね。ハハハ。
って、笑えねっつの。。。
現状は、絶対あの時の呪いが降りかかったに違いない。と思っております。^_^;
しかし、この出来事は忘れられません。特に、母の言葉はトラウマのごとく鮮明に覚えています。
まあ、当時の母も慌てふためいていたのであまり言葉は選べなかったのでしょうが、人生で初めて「もしかしたら人を殺してしまうかもしれない」「もしかしたら、私のせいで人が死んでしまうかもしれない」という強烈な負の意識を抱きました。
ある意味、それは自分が死んでしまうより恐ろしいと思いました。
それからはしばらくの間、「私は死んでもいいので、お母さんとお兄ちゃんを助けてください」と、泣きすぎてメガネを外した勉三さん(キテレツ大百科)のようになった目で祈っていましたから。
まあ、なんだか最後はちょっと重くなっちゃいましたが・・・。(そうか?)
この点だけは自分を正当化しておきますが、子どもの手の届く場所に体温計を置いておくのも悪いっちゃ悪いんだからねっ!
親も気をつけなはれや!!(・Д・)