コンコンと軽くノックすると、ドアがさっと開きました。 

「どうぞ。」Fくんがあいたドアから顔をのぞかせました。 

「ごめんね。夜だしここでいいよ。ピアスちょうだい。」私は手を差し出しました。
さっきまで、プロジェクトの皆と打ち上げをしていて、Fくんの部屋で4人で飲んでいたのです。 

「あのさ、まだ余力ない?」ピアスの代わりに、Fくんは言いました。 

「へ?何の?」意表をつかれてきょとんとする私。 

「シャワー浴びたらさ、酔いがさめちゃったんだよね。YもIさんもあんま酒飲まないじゃん。
さっき缶ビール買ってきちゃったんだけど、よかったらつきあってくんないかなと思って・・・。」 

 

私は一瞬迷いました。 

実は、1年前まで、私とFくんはこっそり付き合っていたんです。 

別々のプロジェクトでお互い忙しくなり、すれ違い、結局は彼に他に好きな人が
出来て別れてしまいました。 

このときは、また同じプロジェクトへ配置になって、お互い知らん顔で仕事上の
友人としての付き合いが再開したばかり。私は正直、まだ彼のことが好きだったので・・・
(バカですよね)ちょっとやりにくい気持ちもあったけど、なんとか気持ちに折り合いを
つけてたんです。 

そして…