数年前の7月の日曜日。

危うい天気だったが何とか持つだろうと思い、バイクで郊外に走りに出かけた。

トイレと飲み物を買いに大きなショッピングセンターに寄る。

店内で用事を済ませた後、駐車場に戻ると「Tく~ん(俺)」と声を掛けられた。

 

「ん?」と振り向くと、どこかで見た顔。

 

あ!と気づいた。

前の会社にいたEさんだった。

 

俺「あ~、お久しぶりです」

 

E「凄い偶然。Tくん久しぶり」

 

前の会社で同じグループで仕事をしていた人だった。

モデルみたいな細身で、スタイル抜群!

髪も綺麗なストレートで30半ばだったけど、とても子持ちとは思えない。

 

俺は20代後半で、彼女は無し。

当時、どこかへ出掛けた時にはEさんにだけお土産やお菓子を買ってきたり、好きな飲み物を差し入れで渡したり、仕事中もよく話すようにして何とか気を惹こうと躍起になっていた。

彼女を何度か誘ってみたが、「独身だったら行くけど・・・」とやんわり断られていた。

結婚しているという事でブレーキが掛かってはいるが、多少は俺に気があるらしい。

 

俺「Eさん変わりませんね。綺麗なまま」

 

実際、20代にしか見えない。

 

E「も~そんな事ないって~。今日はバイク?」

 

持ってたヘルメットを持って聞いてきた。

 

俺「はい。雨が降るか迷ったけど、ちょっと走りに行ってました」

 

E「そうなんだぁ。カッコいい~」

 

歩きながら話していると、クルマの前で止まった。

 

E「今これに乗ってるの」

 

ホンダのスパイクだった。

クルマの前で話していると、顔に水滴が付いた。

空を見上げた。

突然ザーーーーっと熱帯のスコールのような雨が降り出した。

 

E「あー濡れちゃう!Tくん早く乗って!」

 

咄嗟に一番近いドアを開けて俺に乗るように勧めてきた。

2人でリアシートに雪崩れ込む。

強い雨のせいで服はビショ濡れ。

俺はバイク用のジャケットを着ていたから大した事はないが、Eさんは髪も服も濡れてしまっていた。

俺はジャケットを脱いで、持っていたハンドタオルで彼女の髪を拭いた。

 

 

E「ありがとう。凄い雨だね」

 

強い雨で外はほとんど見えない。

これは・・・