熊本市東区画図町に所在する

芥川板碑(中ノ瀬地蔵堂内)です。

文化財の指定は受けていません。

 

 芥川板碑とは、18世紀末頃の寛政年間に田迎手永の惣庄屋であった芥川守拙が建てた一字一石碑です。この芥川板碑は放牛地蔵(93体目)と隣り合って地蔵堂内に置かれています。左側の表面が剥落して失われています。剥落した部分は一部、床に置かれています。芥川板碑はどれも似たような薄く剥がれやすい安山岩を石材としています。そのせいで板碑自体が薄く仕上げてあり、そのため欠落したり表面が剥がれたものも多いです。なお、この中ノ瀬地蔵堂の芥川板碑は、風化が激しくなく、刻まれた文字も読みやすいです。

 銘文は聖観音像の右側に「普門品一字一石寛政甲寅 七月建立者五穀成熟人民」、左側は欠落しているため「子孫栄昌」「拙敬白」のみ残っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

※写真は2023年10月撮影