上天草市松島町阿村に所在する県指定史跡の
大戸鼻古墳群です。
上天草市HPによると、大戸鼻古墳群は、大戸ノ瀬に突き出した標高30mの大戸鼻丘陵にある5基からなる古墳群です。そのうちの北古墳・中古墳・南古墳の3基は、昭和49・50年に保存工事が行われました。
北古墳は、奥行き2.1m、幅1.9mの方形の横穴式石室を持つ装飾古墳です。石室内の北側の石障に線刻で3個の円文と東側に4個の円文が描かれています。
中古墳の構造も、北古墳と同様の横穴式石室です。内部は奥行き3m、幅1.7mあります。
南古墳は、以前石室が露出していましたが、恐らく小墳丘の円墳であったと思われます。北古墳や中古墳と違い箱式石棺を持ちます。装飾は、東側の石障に3つあります。1つは円文で、後の2つはノコギリの歯を円文の縁に描き上部に紐状の2条の線を引き、鏡を垂らしたような文様が2つ描かれていましたが、石障表面が自然剥離して現在では1つのみ確認できます。
南古墳です。
中古墳です。
北古墳です。
保存のため中には入れません。
※写真は2020年3月撮影