菊陽町曲手・辛川に所在する県指定史跡の

馬場楠井手(ばばぐすいで)の鼻ぐりです。

 

 白川の左岸に所在します。

 説明板によると、「鼻ぐり」とは、加藤清正によって作られたといわれる馬場楠井手(灌漑用の用水路で白川から取水)の取入口から約2Km下流にあるトンネル状の構造物の呼び名です。阿蘇の源を発する白川にはヨナと言われる火山灰土砂が多く含まれ、井手にはヨナが堆積し維持管理が大変でした。特に鼻ぐりの区間は地上から井手までの深さが20mになり、井手の底に堆積するヨナを排出するのは困難と予想されました。そこで、岩盤を掘削する際に壁を残し、その下に半円形の穴を刳り貫き、壁の影響で水が渦を巻くようにしてヨナが排出される仕組みを作り出したと言われています。現在では鼻ぐりは24ヶ所残っていますが、当初は約80ヶ所あったそうです。先人の知恵が詰まった文化財ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼻ぐりの原寸大の模型です。

 

 

※写真は2020年1月撮影