熊本市北区植木町豊岡に所在する市指定有形文化財の
田原の五輪塔附板碑です。
国道208号から少し西に入った台地上に所在します
熊本市HPによると、五輪塔は凝灰岩製で、地輪に建治三年(1277年)の紀年銘があります。総高168cmで鎌倉時代の特徴をよく残す五輪塔です。熊本市指定有形文化財「服部の五輪塔」(建治元年:1275年)と県指定重要文化財「船底五輪塔」(元亨二年:1322年)の間に位置します。水輪の四面には梵字「キリーク」を薬研彫りしています。地輪には六行の銘文が刻まれていて、その中の「田原寺」という銘文から、鎌倉時代に「田原寺」が建立されていたことがわかりますが、文献等資料がなく場所等は不明です。また、田原坂に近く、周辺が西南戦争の激戦地であったことから五輪塔には西南戦争時の弾痕が多数認められます。
また、附指定の板碑は、安山岩製の逆修碑で高さ140cmです。碑面上部にの月輪の中に梵字「ア」を線刻し、蓮華座を持ちます。その下には天正乙酉(天正十三年:1585年)の紀年銘があります。
正面の五輪塔が田原の五輪塔。説明板の下から見えているのが附指定の板碑です。
田原の五輪塔と板碑以外にも五輪塔や宝篋印塔の部材があります。
地輪にある銘文です。
1行目に「田原寺」と刻んであります。
最後に「建治三年」と刻んであります。
附指定の板碑です。
※写真は2020年1月撮影














