阿蘇市波野大字小地野に所在する市指定史跡の

カヲの墓です。

 

 阿蘇市中心部から国道57号を大分方面に走り、滝室坂を上がると左側(北側)に位置します。国道沿いに案内板がありますが、そこから現地に辿り着くのはなかなか難易度が高い文化財です。国道からはひたすらに森の中を歩いて進みますが、道しるべがないため、正しく進んでいるのかすら分かりません。とはいえ、地図も持たない初めての私たちでもなんとなくの勘で進むと辿りつけましたので、全く行けないということでもありません。

 さて、この「カヲの墓」の「カヲ」さんは江戸時代後期の女性で、この場所を東西に通じる豊後街道を使って参勤交代する細川の御殿様が休息する際にお茶くみをした娘さんと伝わっています。お殿様にお茶を献じるくらいですから、大変美しい人だったそうです。

国道57号沿いにある案内板です。この先、300mと書いてありますが、体感距離はもっと遠いです。ここから矢印の方向に進み、どちらかというと右回り(東周り)しながら奥に進んでいく感じです。車が一台通れるくらいの幅の舗装されていない道を歩いて進みます。道の状態が悪く車では行けません。

 

歩いてすぐある説明板です。

 

森の中をひたすら歩き、坂を登っていくと写真のような階段が現れます。この先が共同墓地になっていてその中にカヲの墓があります。

 

カヲの墓です。白い標柱が立っているので、共同墓地までたどり着けば分かりやすいです。

 

ちなみに共同墓地はこんな感じです。江戸から明治期ぐらいまで使われてそうな共同墓地です。

 

 

カヲの墓の一面には阿弥陀像が彫られています。

 

 

裏面には「俗名 カヲ」と刻まれています。

 

 

 

文政13年(1830年)に亡くなったことが刻まれています。

※写真は2021年5月撮影