こんばんは
心理カウンセラーの吉田亮介です。
今回も「【メンタルブロック】感じてはいけない」についてお話します。
ここで一旦この「感じてはいけない」というメンタルブロック(ブレーキとなるような無意識の思い込み)について、このメンタルブロックを持っている場合に出る典型的な症状やそのメンタルブロックが出来た背景をまとめたものを記載します。
【メンタルブロック】
感じてはいけない(自分が感じたいように感じてはいけない、特定の感覚、感情について感じてはいけない)
※メンタルブロックは、そもそもビリーフといいますが、このブログでは全てメンタルブロックで統一します。
【症状】
・「怒り」「悲しみ」「恐れ」「喜び」「幸せ」を感じない
・自分の感情がわからない
・周りの人の感情に合わせてしまう(「あーそうよね」)
・人と同じ感情を感じてしまう(同一化)
・思考ばかりしている
・周囲の出来事に対して、いつも第三者の立場で客観視している
・代替感情を使う(たとえば、「悲しみ」を抑圧して「イライラ」する。「怒り」を抑圧して「ニコニコ」する等)
・痛みや満腹感、空腹感、味覚(甘い、辛い)といった「感覚」を感じない
・摂食障害(《自分が感じたいように感じてはいけない。母親が望むように感じなければならない》というリミッティング・ビリーフによって自分の感情を抑圧している女性が、過食・嘔吐を繰り返すことによって、感情を抑え込んだストレスを発散しているケース)
・心身症
・「怒り」の抑圧 →「胃痛」「頭痛」「腰痛」「かゆみ」「不整脈(心臓関連)」等
・「恐れ」の抑圧 →「何も感じなくなる」「強迫神経症(洗浄恐怖、確認恐怖等)」「強迫観念」「恐怖症」等
・「悲しみ」の抑圧 →「自律神経失調症」「頭痛」等
【メンタルブロックが出来る背景】
・感情を出すと抑えが効かなくなる自分に恐怖を感じた
・感情を出したときに笑われたり怒られたりした
・親が感情的になる人を否定していた
・親から特定の感情を感じることを禁止されていた(「男(女)の子は泣いて(怒って)はいけません」)
・親のために感情を表すことをがまんした(「私が泣くと、病気のお母さんが辛くなるから」)
・親の感情の面倒を診てきた(母親がうつ病だったので、私はいつもニコニコして何でもないように振る舞った)
・いつも怒ってばかりいる短気な親が怖かった(「怒ることは悪いこと」と決めた)
・いつも怒ってばかりいる短気な親が嫌だった(「私は絶対に怒らない」と決めた)
・いじめや虐待を受けて、あまりの辛さから、すべての感情・感覚を抑圧する(感じないようにする)ようになった
・両親が感情を自然に表現しない人だった
・両親が幸福感を感じたり、ものごとを楽しんだりしない人だった
今回は、メンタルブロックが出来る背景の中で
「いじめや虐待を受けて、あまりの辛さから、すべての感情・感覚を抑圧する(感じないようにする)ようになった」
についてお話しします。
親が虐待するようなケースでは、子供はあまりの辛さから、すべての感情・感覚を抑圧するようになることがあります。
こんな風に、感じないのが当たり前になっている状況「乖離(かいり)」といいます。
乖離(かいり)というと難しいですが、大げさに言えば幽体離脱しているみたいに感覚と自分の心を切り離しているような感じでしょうか。
もちろん、本人はそうしている自覚がないことがほとんどです。
だから、「あなたは感情を感じないようにしていますね」と言われても「そうなのかな?そうかもしれない。でも自分ではよくわかりません。」と言った反応がほとんどです。
特に小さいころ、虐待を受けていたり、親がアルコール依存症だったりなど、小さい子供にとって辛すぎる環境で育つと、「乖離(かいり)」が習慣化してしまうことがよくあります。
例えるなら、電源をONにすると電流が激しすぎてショートするので、電源をOFFにしているようなイメージでしょうか。
だから、実際にそういう方のカウンセリングをすると、すごく客観的に、まるで他人事のように自分の置かれた状況を解説したりします。
そこで、解説はいいのでその時、本当に感じていたことを感じてみて下さいと言っても、「?」な状況になります。
「そう言われても、感じないしなぁ・・・。」ということになります。
何でわざわざ辛かったことを思い出させるの?
と思った方もいるかもしれませんね。
なぜなら、その本当の気持を抑圧している限り、そのクライアントさんは悩みから解放されることがないからです。
と言っても、「?」ですよね。
それについては、詳しくは次回話すとして、このメンタルブロック「感じてはいけない」が直接的に悩みを引き起こすというよりも、感じないようにして真の問題を隠しているということの方が多いんです。
だから、本当の悩みを解決するために、このメンタルブロックを解除する必要があるということがよくあります。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
心理カウンセラー 吉田亮介