みじかいストーリー
書いてみた
『 ET 』
僕は、小さな町に引っ越してきた。
前の学校は4クラスだったけど、
ここの学校は、1学年1クラスだそうだ。
初登校の時、担任の先生から挨拶があった。
江入杏って名前の若い女の先生だ。
先生に連れられて教室に入った。
生徒は、僕が入って29名になるそうだ。
みんなニコニコして僕を迎え入れてくれた。
お昼休みの時、1人の男子が側に来て、突然こう言うんだ。
「僕 ET なんだよ」
えっ！？？？？
僕はなんて返したらいいのかわからなかった。
するとその男子は、ニコニコしてこう言った。
「僕の名前は、えとうたかしって言うんだ。だからETなんだよ」
あぁ～そういうことか…
僕はクスッと笑った。
すると1人の女子がやって来てこう言った。
「私はえとうたえこ。私もETよ。たかしくんと従妹なの」
へぇー従妹なんだ、交互に2人を見ていると、
みんなが次々に僕の側にやって来て、自己紹介をしだした。
「僕はえがわたつや、僕もET、キャッチボールが好きなんだ」
「私はえいだちかこ、私もETよ。お隣さんね、よろしくね」
「僕はえんどうつよし、将来は漫画家なりたいんだ。僕もET」
「私はえいばやしとうこ、私もお隣さんね、よろしくね、ETよ」
「僕はえじまたかゆき、僕もET、お笑いが大好きなんだ」
次々に始まった自己紹介だけど、
驚いたことに28人全員がETだったのだ！
こんなことってあるんだろうか？
もしかして、僕をからかっている？
そんなふうに考えていると、1人の女子が僕に聞いてきた。
「えざき君だってETじゃない。えざきとしかずっていうんでしょう？」
えっ！？
僕は一瞬何を言われたのかわからなかったが、すぐに思いだした。
そう、僕は母の苗字に変ったのだ。
そうか、僕もETなのか…。
ふと周りを見ると全員ニコニコして僕を見ている。
気が付くと先生もいた。
みんなが僕を見てニコニコしているのだ…
不思議な体験したことある？
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