みじかいストーリー
書いてみた
『 海(中編)』
エメラルドグリーン一族の海人は、
注意深くマリンブルー一族の小さな子の様子を見ていましたが、
特に変わった様子はなく、
いつまでも魚たちと楽しく遊んでいました。
「これは一体どういう事なの?」
エメラルドグリーン一族の海人は、
急いで”長(おさ)”のもとへ報告に行きました。
”長”は驚き、すぐにマリンブルー一族の”長”に伝えました。
双方の”長”のみが超思考により伝達することが出来たのです。
すぐにマリンブルー一族の海人が、
小さな子を迎えに行きました。
小さな子は興奮しながら、
エメラルドグリーン一族の海域での事を話しました。
早速、双方の一族で話し合いが行われました。
遥か昔より、体がなじめないため、
お互いの海域では生きて行けないと伝えられてきたが、
もしかしたら大丈夫なのではないか?
そこで、双方の一族はそれを確かめるために、
”長”は、自分の子供を送り出すことにしました。
マリンブルー一族からは娘を、
エメラルドグリーン一族からは息子が、
その大役を仰せつかりました。
つづく