みじかいストーリー
書いてみた
『地球記念日 後編』
「今まで、煙でコロニーが見えずに襲ってこなかったのかもしれないじゃないですか！」
「落ち着け！もし、万が一襲ってきても、シールドがあるから大丈夫だ！」
皆、戦々恐々としている中、
なす術もなく、煙が薄らいでいくのを見ているしかありませんでした。
そして、
少しずつコロニーの外の様子が見えるにしたがって、
皆は目の前に映し出されている光景に言葉を失いました。
「なんだこれは…」
「どういう事なんだ…」
目の前に広がる光景は、
すい込まれそうなほど澄んだ青い空に、
眩しく輝く太陽の光が、緑の草原、草木を照らし、
色とりどりの美しい花々が咲き乱れ、
動物たちがその中で、穏やかにくつろいでいる様子でした。
「どういうことですか、これは！！」
誰かが責任者に詰め寄りました。
「外はどんなに恐ろしい世界なのかと思っていたのに、
ずっとそう聞かされていたのに、何ですか、これは！
どこに巨大な狂暴な動物がいるんですか！
説明して下さい！」
「私だってこんなのは知らなかった！」
「我々は長い間、なぜコロニーに住まなければならなかったんですか…
こんなに美しい自然があるのに…」
人類を管理するための計画が実行されて数千年。
嘘を教えられた人類は、コロニーでの生活を受け入れ、
疑いもしませんでした。
その事に気付いたわずかな人々は、
真実を伝え、人類を解放するために、
少しずつ仲間を増やしながらその機会をうかがっていたのです。
世界中にあるコロニーは解放され、
人類はやっと、
真実の地球と共に生きられるようになったのです。