『宝くじ』
(宝くじ買おうかな~どうしようかな~)
そんな事を考えながら歩いていると、
前方から、頭巾をかぶり、大きな袋を背負い、
打ち出の小槌を持った妙な格好のおじさんがやってきて私にこう言った。
「お嬢さん、今、宝くじ買おうかな~どうしようかな~って考えてましたね?
だったらこっちの宝くじの方が何倍も価値がありますよ。
タダだしね。やってみますか?」
タダならやってみようと思い頷いた。
そのおじさんは三枚のふだを出して、一枚選ぶように言った。
「あ~~残念じゃった~」
そう言うとスタスタと歩いて行ってしまった
今のおじさんは何だったんだろうと思い歩いていると、
今度は鯛と釣竿を持ったおじさんがやって来て、
三枚のうちの一枚を選ぶように言った。
「あ~~残念」
そう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
あのおじさんは何だったんだろうと思い歩いていると、
今度は武将の格好をしたおじさんがやって来て、
三枚のうちの一枚を選ぶように言った。
「あ~~~~~はずれだ」
そう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
あの武将のおじさんは何だったんだろうと思い歩いていると、
今度はひらひらのドレスを着て、琵琶を持ったおねえさんがやって来て、
三枚のうちの一枚を選ぶように言った。
「あら~~また今度挑戦してね~」
そう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
これがあと何人続くんだろう と思っていると、
今度は杖を持った、頭の長いお爺さんがやって来て、
三枚のうちの一枚を選ぶように言った。
「あ~~惜しいの~」
そう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
さて、
今度は杖を持って鹿を連れているお爺さんがやって来て、
三枚のうちの一枚を選ぶように言った。
「あ~~もう少しじゃの~」
そう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
さてさて、
今度はまんまると膨らんだお腹と、大きな袋を持った、
ニッコニッコのおじさんがやって来て、
三枚のうちの一枚を選ぶように言った。
「おお~~当たりじゃ!!これはめでたい!」
そう言って、懐から取り出した袋を私に差し出してこういった。
「楽しみにな♪」
と、ここで目が覚めてしまった。
あのニッコニコの笑顔が瞼に焼き付いている。
いったい何をくれたんだろう、、?
想像するとワクワクしてしまう♪

