『ランナーズハイ』
マラソンの大会に向けて、
今日は仲間と三人で、
練習をすることになった。
今日は朝から気分も体調も良かった。
おまけに曇り空で、幾分涼しく感じられ、
絶好のマラソン日和だった。
走っていると、
だんだん気分が高揚してきた。
空を走っているような、
何とも言えない幸福感に包まれていた。
やがてゴールの公園に近づいてきた。
(なんだ、もう着いたのか)
時間を飛び越えて来たんじゃないかと思うほど
早く感じられた。
少し後に仲間二人も到着したが、
「サトル、途中で寄り道した?」
仲間の一人が僕に聞いてきた。
「なんで?寄り道なんてするわけないじゃん」
「そうだよなぁ・・・・・なんかわかんないけど
途中でサトルが消えたんだよ、
二人でそれを見たんだ。
キツネにつままれたみたいだったよ」
「ハハハ!
走っていたらすっごく気分がよかったんだ。
あの高揚感は何とも言えず気持ちがよかった。
もしかしたら違う世界に行っていたのかもな・・・
な~んちゃって!」
僕は楽しくて笑った。
