『若芽ちゃん』

 

 

 

ある日あるところに

 

地面からニョキっと若芽が誕生しました。

 

若芽は一生懸命大きくなろうと、

 

たくさん伸びをしました。

 

 

 

でも悲しくて泣いてしまいました。

 

 

 

 

 

そこへアリが来て

 

「どうしたの 若芽ちゃん?」

 

と声をかけました。

 

 

 

 

 

若芽は泣きながらこう言いました。

 

 

 

 

頑張って大きくなろうと思ったのに、

 

お日様が無いところに生まれちゃったの。

 

これじゃ大きくなれないし、

 

枯れちゃうから

 

悲しくて泣いていたの。

 

 

 

 

なーんだ そうだったのか。

 

大丈夫だよ若芽ちゃん。

 

 

お日様がない世界なんてないんだよ。

 

あの雲の上には光輝くお日様がいるんだ。

 

 

 

 

そう言ってアリは空を見上げました。

 

 

 

 

 

すると、厚い雲の間から、

 

まぶしいお日様の光がさしてきました。

 

 

 

 

それを見た若芽はうれしそうに

 

ぷるぷるっと葉っぱを震わせました。