誰も知らない謎PC登場 | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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3匹のお姉ちゃん猫と3匹の弟分猫たちの日常と6匹の猫たちが登場する変な猫マンガ。
そして昔のパソコンあれこれ。

【びわ坊が買ってきた謎のパソコン】

童子さん「びわ君、珍しいもの見つけてきたわねー」

びわ  「ハードオフで1000円で売ってたから買っちゃったけど、使い方がわかんないの」

麦ちゃん「パソコンだと思って買ったみたいだけど、どうも違うみたいなの」

童子さん「ネットで調べてみたけど、ほとんど情報が無いレアものだから持ってた方がいいわよ」

びわ  「ゲームとかできないの?」

童子さん「びわ君が持ってるポケットコンピュータの方が面白いゲームを作ることができるわよ」

 

びわがハードオフ猫山店で見つけた小さなパソコンですが、どうやらネットにも満足な情報がないほどの珍しい機種だったようで、びわはガッカリしていますが、童子さんは興味津々です。

 

 

【パソコンのサイズでポケットコンピュータ未満の性能のパソコン】

1982年に発売された三洋電気製のパソコン[PHC-10]です。

価格は24,800円と低価格だったのですが、テレビにつなぐことはできず、小さな16文字表示の液晶パネルがついているだけです。

 

メモリは2KBしかなく、プログラムやデータをカセットテープに保存するためのカセットインターフェースや、プリンタにつなぐためのプリンタインターフェースもなく、拡張性はゼロでした。

電池でメモリはバックアップされていたので、電池が切れない限りはプログラムが消えることはありません。

 

プログラミングは可能だったのですが、内蔵されたTiny BASIC(機能が低い小規模なBASIC言語)は実数を扱うことができない整数型BASICで、科学技術計算に必要とされる数学関数はありませんでした。

機械語でのプログラミングもできない仕様のため、高度なプログラムを作成することはできませんでした。

 

低価格だったとは言え、1982年頃には8ビットCPUを内蔵し、高精度な数学関数が扱え、高度なプログラミングもできるBASIC言語を搭載し、さらには機械語で高速実行ができるプログラムを組むことができ、メモリの増設やカラープリンタなど魅力的な周辺機器が使えるポケットコンピュータの本体がほぼ同価格でシャープやカシオから発売されていたため、パソコン並の大きさでポケコンよりも低性能なPHC-10は当然売れたとは思えず、パソコンマニアの間でも話題にものぼることはありませんでした。

 

 

【縁の下の力持ちの三洋電機】

社内で社員のマイコン教育用に作らせたものをそのまま製品として発売してしまったかのようなPHC-10でしたが、私としては今になってどんなものか実物を見てみたくなりました(^▽^)
いや、こういう日の当たらなかったモノって結構好きだったりするんですよ。
 
80年代は高性能なパソコンを作ることができるメーカーこそが技術力を持っているというイメージが作られ、それまでは大手電機メーカーの中では下位グループだったシャープがパソコンで企業イメージを高め、理工系大学生の人気企業のベスト10の常連となり下位グループから抜け出したのですが、三洋電機とゼネラルはここで水をあけられてしまいました。
 
のちに三洋電機はマイクロソフトとアスキーが提唱したMSX統一規格パソコンではそれなりの存在感を見せてはいたのですが、やはりパソコンのサンヨーというイメージは定着しませんでした。
 
ですが表舞台には立たずに裏方としてCD-Rなどの光ディスクで高速書き込みをする技術の実用化や、ノートPCで使われる高性能二次電池、OEM(相手先ブランド)でのデジカメの設計製造など、見えないところで現代のデジタル社会を支えてきました。
 
今は無き三洋電機ですが、地味に見えた技術力を真に評価してくれたのは残念ながら日本企業ではなく中国の世界的白物家電メーカーのハイアールでした。
 
実家の洗濯機はハイアール製なのですが、元三洋電機の技術者が設計していることを知っていたのでこれにしたのですが、安かったのに頑丈で細かなところに気が利いていて故障知らずの良いものです。
現在愛用している中国(香港)LenovoのノートPCもそうですが、ハイテクでいて質実剛健というモノ作りはかつては日本の得意としたところだったのですけどねえ…(´・ω・`)

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