【パソコンショップの楓】
みどりちゃん「よ、カエちゃん。こんなとこで珍しい」
童子さん 「楓さん、何かソフトを買いに来たの?」
楓 「あ、童子ちゃん…。何か面白いゲームがないかと思って…」
パソコンが登場した40年以上前から開いているパソコン専門店の老舗、パソコンショップ猫山に来ていた楓に、みどりちゃんと童子さんが声をかけています。
【ギャルゲーのデータ集を買いに来た二人】
びわ 「カエちゃーん、女の子のデータ、ダウンロードできたー?」
みどりちゃん「お!少年。あいかわらず元気だなー」
楓 「(バカッ)」
童子さん 「あ、そうなの。楓さんも興味あるわよね…」
ギャルゲの追加データ集をソフト自販機で買いに来たことがバレて、ちょっと気まずい雰囲気になってしまいました。
【ソフトベンダーTAKERU】
ブラザー工業が1986年に発売した、世界初のPC用ソフトウェア自動販売機「ソフトベンダーTAKERU」です。
高速ネット環境が構築された現在では、ネット経由でゲームソフトや電子書籍、ビデオや音楽をダウンロードできるようになりましたが、当時の通信速度は2400bps(1秒間に約200バイト)~9600bps(1秒間に約800バイト)程度しかなく、一般ユーザーがメガバイト単位のデータのダウンロードをすることは現実的ではありませんでした。
TAKERUは専用回線を使用することで、ダウンロードされた最新のPC用ソフトを本体内に記憶させ、それをフロッピーディスクに書き込んで販売するという方法を取っていて、流通コストを抑えることでパッケージ版ソフトよりも早く安く販売することができ、当時のPCユーザーで利用した方も多いと思います。
また、流通に乗せることができない同人ソフトやロット数が少ないゲームの追加データ集など、TAKERUでしか手に入らないソフトやデータなども販売されたため、一定の人気がありました。
高速ネット環境が普及し始めた1997年にTAKERUはその役割を終えましたが、ネット経由で音楽データやビデオデータを端末のデータバンクに保存するノウハウを活かして、ブラザーは業界初の業務用通信カラオケ「JOYSOUND」を展開し、第一興商の「DAM」に次ぐ第2位のシェアを獲得しています。
ソフトベンダーTAKERUのサービスは既に終了しているのですが、パソコンショップ猫山では、以前販売されていたTAKERU用ソフトをメーカーさんの許可を得て、内蔵ハードディスクに記録して販売しているようで、TAKERU体験ができるということで名物になっているようです(^▽^)
12月から年度末まで忙しくなることが確定だー(ノД`)