【自分のパソコンを持って遊びに来たやまはちゃん】
びわ 「やまはちゃん、ロボットのプログラムでわからないとこ教えてくれる?」
やまはちゃん「そっか、びわ君の小学校では授業でロボットのプログラミングをしてるのね」
やまはちゃんはカバンから小さなキーボードを出しました。
やまはちゃん「麦ちゃん、テレビ借りてもいい?」
麦ちゃん 「え、それってパソコンなの?」
【キーボード一体型PC[Raspberry Pi 400]】
やまはちゃんが通う猫山東中学校では、プログラミングの授業に安価で携帯が容易なRaspberry Pi (ラズベリーパイ)400を生徒全員が持っています。
文部科学省が2020年4月より必修化した、小中学生のプログラミング授業では、Windows PCを使用することになっていますが、麦ちゃんたちが通う猫山総合高校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校ということもあり、猫山総合高校への入学生が多い猫山東中学校では、より高いレベルのプログラミング授業を行うため、Linux(リナックス)OSを採用し、ロボットをはじめとした機械制御に適したRaspberry Piを授業で使用しています。
【100ドルPCとして発売されたRaspberry Pi 400】
11月に発売された100ドルPCのRaspberry Pi 400です。
日本では、日本語キーボードになり、日本語ローカライズされたRasbian(ラズビアン)OSというLinux OSが装備された製品が来春12,500円で発売されます。
上のイラストでは一部画面が見えていますが、Rasbianを使う限りにおいては、Windows10とそれほど変わらない感覚で使うことができると思います。
Linuxというと聞いたことはあるけど難しそうに思われるかもしれません。
たしかにWindowsやMac OSに比べると初心者にとってはあまり親切ではない部分もあるのですが、ネットにはたくさん情報があります。
Linuxを使いこなせるようになれば、周りにちょっと自慢もできますよ(^-^)b
マイクロソフトOfficeやClip Studio、PhotoShopなどといった、いわゆる業界標準のアプリはないのですが、それに類したフリーウェアが多くあるのもLinux PCのメリットです。
このRaspberry Pi 400は、テレビとネットにつなぐだけですぐに使用することができます。
ネットサーフィンやメール、ワープロや表計算など、普通のパソコンでできることはほとんどできます。
それにくわえて、内蔵されたCPUのI/O(アイ・オー)バスが開放されているので、ちょっと詳しい人なら、そこにロボットをつないで制御したり、センサーをつないで気温によってエアコンをつけたりといった、ハードウェア制御もできるように設計されています。
このブログの一番最初の頃に、猫の首輪につけた札を読み取って、多頭飼いの家で猫の年齢や病態に合わせたごはんを自動的に与える装置を自作していることを記事にしていますが、そこで使われていたのはこのRaspberry Piの親戚筋にあたるArduino(アルデュイーノ)と呼ばれる制御用マイコンでした。
ただ安いパソコンというよりも重要なのは、このPCは普通のWindowsPCやMacOS機よりも応用の幅が広く、コンピュータというものはどう使われているのかを理解できていくということです。
文科省も高価なWindowsPCを小学生の親に買わせるよりも、このような安価で勉強になるPCを使わせた方が将来のIT人材の育成にはよほど役に立つと思うのですが…。