Sketchup、とタイトルにつけていますが、ここ数日はずっとAutodesk Fusion360(オートデスク フュージョン360)ばかり使っています。
【2D-CADのDXF図面から3Dモデルを作成】
鋼製の作業床を製作するために、2次元CADのBeDraw(ビー・ドロー)で作った図面をFusion360のスケッチ(下絵用の平面図)として読み込み、押し出し(プレス・プル)で立体化しています。
平面図を押し出して立体を作るという手法はSketchupが元祖なのですが、Fusion360も同様な手法で立体を作成していくことができます。
また、2次元CADのデータ読み込みは、フリー版のSketchup Makeには実装されておらず、使用している2次元CADデータ形式に合わせたインポート用プラグインをインストールしなければなりませんが、Fusion360は標準で色々なデータ形式のCADデータをインポートすることができます。
【物理マテリアルで材質を決定する】
Fusion360はこの機能を標準で搭載しています。
立体図形に目で見える色を塗るだけではなく、物理的に材質を指定することができます。
上の材質は鋼鉄(日本規格のSS400に相当するAISI1018の鉄)の物理的特性ですが、立体図形にこの材質を指定すると、その立体図形は鉄になり、計測することでその立体図形の重量を求めることができ、また、その立体の重心を求めることができます。
先の作業床の3D図の中心付近に小さな黒白で塗り分けられた丸がありますが、ここが重心になるので、この作業台をクレーンなどで吊り上げる時は、この重心の真上を吊り上げるようにワイヤーをセットすればバランスを崩すことなくこの作業台を吊り上げることができます。
また、有償版でしかできない機能なのですが、熱膨張係数やせん断弾性係数、降伏強度なども立体図形に与えることができるので、例えば鉄道のレールが気温40度まで上がったときにどれだけ伸びるのか、溶接などで一点を加熱すると熱でどのくらい変形するのか、クレーンがどれだけの重量の物を吊り上げるとブーム(腕)が折れるのか、建設工事での足場にどれだけの重量がかかると足場が崩壊するのかなどをシミュレーションすることができるわけです。
CGイラストでは目に見える色だけを塗ればいいのですが、物理マテリアルを指定すれば、例えばこのスマホはアルミで作ると220グラムだけど、プラスチックにすれば190グラムになるな、などのように実際に製品を試作する前に重量や強度を検討することができるようになります。
【時代はFusion360…なのか?】
ずっとSketchupを使い続けていて、このブログでのイラストでもSketchupで描いた絵を載せていたので、本当はSketchupに愛着があるのですが、SketchupがGoogleの手を離れ、測量機器メーカーのTrimble社に移ってからのここ数年機能的な向上がまったくと言っていいほど無く、一時期ほどはユーザーコミュニティも活発ではなくなりました。
Autodesk社のCAD/CGツールは高価なプロ向けの製品をリリースしていて、一般のホビイストには縁がないものだと思っていたのですが、このFusion360に関しては、かつてのSketchupのよいところ…製品だけではなくユーザーコミュニティを大切にするという部分…を引き継いだよい製品だと思います。
これから3Dイラストを描いたり、3Dプリンタで造形しようと考えている方には、私はFusion360のほうを勧めます。
【Fusion360のマニュアルは無償で配布されています】
Fusion360のファンサイトFUSION BASE(←サイトへのリンクです)では、会員登録(無料)をすれば、Fusion360のマニュアルFusion360コマンド大辞典(上)(下)を無料でダウンロードできるサービスを実施しています。
マジこれさえあれば、Fusion360を完全制覇できます。私はこのコマンド大辞典を別ウィンドウで開いてFusion360を使っています(^-^)b
期間限定なので、すぐにFusion360を使う予定がなくても、早めにダウンロードすることを勧めます。