シャープ、PC事業に再参入か? | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

こむぎブログ~猫とコンピュータ~

3匹のお姉ちゃん猫と3匹の弟分猫たちの日常と6匹の猫たちが登場する変な猫マンガ。
そして昔のパソコンあれこれ。

今夜の猫たちです。

 

【X68000とMZ-1500】

1990年代に入り、日本IBMが開発した日本語OSのDOS/V(ドスブイ)が使えるIBM PC/AT互換機が登場し、安価で高性能な32ビットPCが広く普及するようになるまでは、日本ではNEC、富士通、シャープの3社が国内PC御三家と呼ばれ、国内で使用されているPCのほとんどが日本製のものでした。

 

しかし、この3社のPCにはソフトウェアの互換性はなく、例えばNECのPC-9801用のソフトは富士通のFMVには使えないという問題がありました。

 

DOS/Vはその問題を克服し、IBMが無償でその仕様を公開したPC/AT規格のPCであれば、どのメーカーのPCでも同じソフトが使えるようになり、後にPC/AT規格のPC用に作られたMicrosoft Windows3.1の登場で、世界中のPCの大部分がWindowsパソコンになりました。

 

 

【シャープが東芝のPC部門を買収】

みどりちゃんみどりちゃんが持っているPCは、シャープの8ビットパソコンMZ-1500(1984年)です。

座敷童子童子さんの前にある黒いPCは、同じくシャープの16ビットパソコンX68000(1987年)です。

 

DOS/Vの登場直前は、日本ではNECのPC-9801シリーズが日本のパソコンのシェアのおそらく8割を占めていたのではないかと思います。

前述のようにDOS/Vが登場すると、世界中で開発された優れたソフトがPC/AT規格のPCであれば、メーカーを問わず使えるということで、PC-9801シリーズは急速にその勢力を失っていきます。

 

この頃、それまでパソコン市場では存在感の薄かった東芝がPC/AT規格のラップトップパソコンJ3100シリーズを発売し、ノートPCの市場で一気にシェアを拡大していきます。

後にダイナブックという愛称がつけられるようになる東芝ノートPCは、世界中で使用されるようになり、2000年頃には世界一の販売台数を誇るノートPCとなりました。

 

ところが2000年代後半頃より日本の電機メーカーは世界での競争力を失い始め、それに代わりそれまでは日本メーカーの下請けとしてPCを生産していた台湾・韓国・中国のPCメーカーが自社ブランドでPCを発売するようになり、かつてのPC御三家の一社のシャープは2010年にPC事業から撤退し、NECと富士通のPC部門は中国レノボ社の傘下になり、現在では日本製のPCはパナソニックと東芝だけが細々と生産しているだけになりました。

 

 

【東芝がPC部門をシャープに売却】

 

その東芝も最近の不正会計問題をはじめとする不祥事の発覚で、会社全体が傾いたために売却することができる事業は次々と売却していくことになり、ついにPC事業をシャープに売却することになりました。

PC事業からすでに撤退したシャープですが、業績悪化により昨年会社そのものが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されています。

鴻海精密工業の傘下となったシャープは急激に収益を改善し、買収前には東証2部に格下げされていたのですが、つい最近再び東証1部企業に返り咲きました。

 

鴻海精密工業のグループ企業であるFOXCONN(フォックスコン)は、PCの自作ユーザーにはなじみのある企業だと思いますが、PCのマザーボードを自社販売し、iPhoneをはじめとするスマートフォンの製造を行う巨大企業です。

 

開発・生産技術はすでに東芝やシャープの上を行く企業なのですが、製品としてノートPCを製造・販売するために東芝やシャープのノウハウを活かし、シャープブランドでノートPCを製造販売するものと思われます。

 

現在のシャープの状況を見る限りでは、鴻海精密工業はシャープは日本の企業であるということを大事に思ってくれているようで、日本での独自の製品開発にも期待できそうです。

 

かつて私は8ビットPCのMZの時代から、Windows 7のメビウスノートまでずっとシャープ製PCを使っていたので、再びシャープのPCが登場するということで、それを楽しみにしています(^-^)

にほんブログ村 猫ブログ 猫 MIX多頭飼いへ
にほんブログ村